第三場 ページ39
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年始の祝賀会や大宴会を終えたのも束の間
楼は年の一大行事、春祭りに向けての準備が本格化した。
ただでさえ忙しい夕方の楼内で、開店準備と春祭り用の備品や装飾の製作を行わねばならないのだから、この季節になると賑やかさは格段に増す。
HC「そこの花飾りもうちょっと右で！」
RJ「やばっ、届かない。チソンア来て！」
JS「はいはい(笑)」
JM「ウリチソンイ〜、本当に大きくなったね〜♪」
YT「おー、みんなどう？順調？」
DY「ヒョン達からの差し入れ持ってきたよ〜特にジェノヤ！」
JN「ほんとですか！ありがとうございますドヨンイヒョン！(笑)」
DY「あー本当に可愛いほんっと可愛い…」
YT「大丈夫か？(笑)」
そんな風に、仲睦まじく協力して作業する彼らの様子を見ていると、こんな私でも胸が暖かくなる。…呑気な話ね。
ちらりと反対方向へ目を向ければ、
軽作業を行なっているジョンウと、それから
ショウタロウ、ソンチャンの姿。
二人が禿として働き出したのが先週のこと。
めきめきと立ち居振る舞いが洗練されていく様子を見ると、二人が持っている素質もさながら、
彼らの教育係として指名したジョンウが良い働きをしているのだと思う。
水揚げを終え、振袖新造として働き約一ヶ月。
ジョンウはすぐに格子大夫へ昇格した。
と言うのも、あれだけ最初は緊張していたのが別人の如く、水揚げを終えた彼は堂々とした態度でお客様と接するようになった。
…あの方に水揚げをお願いしたのは、やはり正解だったようだ。
ふと、ソンチャンが視界に入る。
…彼の水揚げもまた、あのお客様にお願い申し上げてみようか。
そんな考えのもと、踵を返して
ヘチャン達が作業している場へ向かう 一瞬
ソンチャンの横顔が、
テヨンに重なった。
「…皆様」
YT「あっ、楼主様！」
HC「楼主様！お疲れ様です！」
一旦 手を止めて、私に深々と礼をする一同。
私は奥の方に立っていた彼のことを一瞥する。
「ジェミン、」
JM「…！」
「話があります。此方へ」
JM「…はい」
頷いた彼を連れ、三階へ向かうと
彼が私を先導するように 襖を開けて
その仕草の無駄の無さに、感心した。
あの日、絶望に染まった目で此処にやってきた美少年が
今となっては、高級娼夫として一流の振る舞いを見せている。
楼主の身で何を言っているのか、と自分でも思うけれど
…皮肉な話だ、と思う。
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むうみん - これもしかして、、ジェミン編もテヨン編とと同じ時間軸、世界線に存在してますか？面白すぎる、、いろんな主人公の視点で見れますね。官能的だし、すきです。言葉も難しいの多くてすごい、、応援してます (2021年3月14日 17時) (
レス) id: ad7920768e (このIDを非表示/違反報告)
ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン（テンも？）がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください！更新首を長くして待っています^^ (2021年1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年1月14日 17時
