第一場 ページ27
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ちらちらと 夕暮れの空から舞い降りてくる。
中庭に佇み、初雪を眺めていた。
…私の隣に 肩を並べて
ただ季節の移ろいを 共に感じる人は
もう居ない。
着物の裾から、冷えきった空気が入り込んで
私の身体を凍えさせた。
まるで
この数週間、
やりきれない思いを抱え続ける私と、
もう そんなの忘れてしまいなさいと言い聞かせる私が この狭い体の中でしきりに喧嘩してる。
とっくのとうに、人に嫌われることは慣れたのだから
例え その相手がマークだって
…もう、いいじゃないの。
壁に掛かっていた時計を見れば、もうすぐその時間だ。三階の応接室へ歩みを進める。
宴会の喧騒が今日も溢れる楼内。
道行くお客様一人一人に礼をしつつ、しっかりと男娼たちが振る舞っているかも確認する。
階段を上がり、応接室へ辿り着けば
…襖の手前で 怯えた顔して待っていた彼。
「…緊張のし過ぎですわよ、ジョンウ」
「っ… す、すみません…」
「何も、今夜すぐに床へ入るわけでは無いのですから。もう少し、気を楽に持って」
「…頑張ります…」
極度の緊張症なのか、外見だけでは背も高く、立派な男娼に見えるはずが
肩を縮こめて震える姿は、まるで生まれたての子鹿だ。…いや、子犬？
ジョンウは柔らかな笑顔と愉快な性格の持ち主なのに、いざお客様を前にすると萎縮してしまう特性を抱えている。
それ故、禿としての期間が 他の男娼よりも長かった。
しかし彼も妙齢だ。
…見目麗しく育ってくれた。
水揚げの時期だろう。
そう思って、お相手をお願いしたい方を丁重に選ばさせて頂き、今日はその方にご挨拶を申し上げる日。
震えるジョンウに控えなさい、と告げて
私は部屋の前で彼女を待つ。
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むうみん - これもしかして、、ジェミン編もテヨン編とと同じ時間軸、世界線に存在してますか？面白すぎる、、いろんな主人公の視点で見れますね。官能的だし、すきです。言葉も難しいの多くてすごい、、応援してます (2021年3月14日 17時) (
レス) id: ad7920768e (このIDを非表示/違反報告)
ray - 一昨日この作品を見つけ一気読みしました。主人公の揺れる思いに胸が苦しくなります、、。これから主人公とテヨン（テンも？）がどうなってしまうのか続きが気になります。大変だとは思いますが頑張ってください！更新首を長くして待っています^^ (2021年1月15日 18時) (レス) id: 3feffcfcf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2021年1月14日 17時
