遊郭物語 -新都編- 伍 (ページ30)

今日:4 hit、昨日:35 hit、合計:174,891 hit

＿ページ30

.
HC side

MK「…みんな、その話もうそろそろいいんじゃない？変な噂話立ててるって、もし楼主様の耳に入ったら面倒なことになるよ」

JN「まあ… それも確かにそうかも」

RJ「そろそろ準備時間だしね。ほらジェミナ、煎餅しまって」

JM「え～」

ロンジュナがてきぱきと動き始めたから、この話題はもう終わりだ。

…マクヒョン、うまく丸め込んだな。ほっとしたような横顔があからさまで、ちょっと悔しい。

その後、開店一時間前の鐘が鳴り響き、
大広間も準備のため空けることになった。

散り散りになっていく皆の背中に、俺は一度支度部屋に戻ろうとすると

マクヒョンが後ろから、ぽんと肩を叩いてきた。

MK「ヤー、ドンヒョガ。これ以上あんまり突っ込むなよ」

「なんで。突っ込むなって言われたら突っ込みたくなるじゃん。なんでそんなに釘刺してくるの」

MK「…触れちゃいけない世界が、二人にはこう… なんか、あるんだよ。昔から」

「はぁ！？何それ、超気になる！」

MK「ドンヒョガ！いい加減にしろお前、」

「もう、冗談だよ。俺もそんな危険なことはしないよ」

マクヒョンの背中をぽんぽん叩いても、
まだ不満そうな顔をしていた。

適当に話に折りをつけ、マクヒョンと別れる。

…本当は、誰にも言わずに

一人で理由を探る方が、良かったのかな。

もう一度、大階段を見上げる。

仕事場へ向かう楼主様を、テヨンイヒョンが廊下の向こう、その死角まで楼主様の背中が見えなくなるまで、見送り続けている姿。

…やっぱり、並外れた雰囲気を感じるんだよな。

楼主様への忠誠心の強さは、楼主様に近い人たち…
即ち歴の長い先輩方、ジェヒョニヒョンやドヨンイヒョンからもびしびしと感じるけれど

テヨンイヒョンって… なんだか違和感がある。
上手く言葉には出来ない。

…なんか、嫌なんだ。
楼主様…

……ヌナの隣に、ずっとヒョンが居ることが。

俺が呆気に取られているうちに、テヨンイヒョンは今紫の袖を振って階段を上っていった。

.