幕間 ページ9
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活気溢れる楼内。
開店前は宴会の準備に床の準備と、各楼中が大忙しだ。
着物の襟を、回廊の大鏡の前で整えていると
奥から歩いてくる 悩ましい顔を見つけた。
鏡越しに目が合う。
「…お疲れ様です、ジャニヒョン」
「何沈んだ顔してるんだよ(笑)」
振り向けば、決まりの悪そうに笑ってるジェミナ。
最近、めっきり男らしくなったと思ったけど、やっぱり笑顔は可愛いままだ。
ジェミナは うーん、と
腕を組んで 下唇を噛んで
俺を控えめに見上げてきた。
「…あの、ジャニヒョン」
「うん？(笑)」
「お客様に、泣かれたことってありますか？」
「…泣かれたこと？」
いきなり、何を聞いてくるかと思えば。
深刻そうな顔をしてたのは、何かお客様といざこざを起こしたから だったのかな。
「いや、無いよ」
「そうですか。やー、そうですよね…」
「どうした？何かあったのか」
「うーん… あの、数日前にお相手した方なんですけどね」
「うん」
「なんでか分からないんですけど、事を終えた後に泣いてしまって」
「…乱暴にしたのか？」
「違うんです！むしろ、誠心誠意優しくしたつもりなのに。ヌ… お客様も、僕のせいじゃないって言ってくれたんですけど」
それは一体、どういうことだろう。
俺も理由を考えてみる。
ジェミナは腕を組んだまま、どこかを見上げて
…そのまま、誰かを想うように 瞬きをした。
「…なんだか、忘れられなくて。彼女のこと」
「…」
「ふふっ… 僕、変ですよね。いや、あの人も変な人だったな… ははっ(笑)」
「…うん、お前は変なやつだよ(笑)」
ジェミナは笑う。
その無邪気さが、どこか哀しかった。
俺を見上げて、
どこか やるせない思いを抱えながら
そんな微笑みで、口を開く。
「ジャニヒョン」
「うん？」
「ヒョンは、お客様のこと、好きになってしまったことはありますか」
「…」
…本当は、分かってるだろ。
そう口に出すことは出来ない。
ジェミナの瞳の中に見え隠れする、期待と希望と、それから いっぱいの“諦め”。
俺は微笑んで、ジェミナの頭をぽん と撫でた。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
