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悠太くんは部屋を明るくするのが好きじゃない。
その代わり、硝子の窓を嵌めて
月明かりや星の光を いつも部屋に取り込んでいる。
星の降る夜。
悠太くんが私を抱き上げ、見つめながら 微笑む。
「お仕事？」
「…うん。今日、大変なお客さんが来ちゃって」
「ははっ、Aって何かしら弱ってる時に俺のとこ来るよな(笑)」
「だって悠太くん、栄養みたいなんだもん。その笑顔も声も」
「そうなん？…でもほんま、食べてる？ちょっと細くなった気がする」
「ああ、言われてみたら… 年末で繁忙期だからちゃんとした食事は取れてないかも」
「もー、俺に会う暇があるなら食事して？(笑) ……それとも、俺を摂取する？」
「あははっ、何それ(笑)」
…真冬でも、燦然と輝く太陽のような
風に打たれても強く咲く、向日葵のような
悠太くんの暖かな笑顔。
悠太くんは布団の上に、私を下ろすと
「おいで」と
また いつものように 腕を広げた。
後ろから、抱き締められると
その温もりが身体を丸ごと包み込んでくれるみたいで
瞳を閉じ、悠太くんの逞しい胸に もたれかかった。
「…ほんとに摂取しちゃおうかな、悠太くんのこと」
「ええよ(笑)」
冗談で口にしたつもりが、
悠太くんは 強い力で私を抱き締めて。
耳に口づけ、首筋に唇を滑らせ
私の頬に触れる。
「じゃあ今夜は、Aをとことん癒してあげる夜」
「あははっ、ただでさえ優しいのにそんなことされたら… 明日からちゃんと仕事できるかな？(笑)」
「何言ってんの。…いつも頑張ってるんやから、好きなだけ甘えて」
「…」
暖かい声に、柔らかな笑顔。
仕事の悩みなんて、ここで悠太くん以外に話したことが無い。
悠太くんは私のことをよく分かろうとしてくれる。
…その姿勢が、とても嬉しいの。
早逝した父の家業を受け継いで
今年でやっと三年目。
まだまだ一人前とは言えない。
「女が働くなんて」と嘲笑する顧客を納得させることも、同僚の助けなしじゃ まだ難しい。
それでも、私なりに、毎日 毎日 頑張っている。
子供の頃は、両親や親戚が なんでも褒めてくれた。
大人になると、誰も褒めてくれなくなる。
悠太くんが、私の頭を ぽんぽんと撫でる。
陽の光のように、微笑みながら。
「…偉いよ、ほんまに。いつもお仕事、頑張ってて」
優しく微笑む瞳の中、
流れ星が 煌めいた。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
