幕間 ページ32
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「ああ、Aさん！今晩もようこそ御出下さいました」
門を抜け、楼内へと足を踏み入れると
いつもの受付の係員が、私にぺこりと 会釈をした。
「すみません、少しお時間を頂けますでしょうか？」
「時間…？」
「はい。当方の楼主が、是非ともAさんにお会いしてお話をさせて頂きたいと申し上げておりまして…」
「…！」
…楼主が、私に？
困惑する私に、彼女は「ご安心ください」と微笑む。
「彼が楼主のもとへAさんをご案内申し上げます」
そう、彼女が言うと
柱の陰から現れた
…白銀、じゃなくて
つい最近 黒に戻った髪。
「ヌナ、こんばんは」
「ジェミン…」
「僕がお連れしろって、楼主様 直々のご指令。さあ、行こう」
受付の子と軽く挨拶を交わしたジェミンは、私に「ついてきて」と言わんばかりに頷いて、歩き出す。
廊下を歩けば、多くの客が 私たちに目を留めた。
ジェミンは何故か得意げに歩いている。
私もそれにつられ、微笑んでしまった。
大半の客は、部屋へ向かう前に この階の大広間で宴会に興じる。
豪華な料理に各地から取り寄せたお酒、
娼夫たちの舞や歌が大人気なんだそうだ。
…テンくんは、自分は舞が得意だと言っていたっけ。
階段に差し掛かると、人通りは少なくなる。
少し見ないうちに、また雰囲気が変わった気がする。
頼り甲斐が出てきたようなその背中に声をかけた。
「ねえ、ジェミン」
「ん？」
「楼主様って、どんな人？」
「どんな人…か。礼儀にとても厳しい方。お客様に対しての物腰はとても柔らかいよ」
「そうなんだ」
「……楼主様がお客様を呼ぶ時は、」
「うん？」
「話す内容、…限られてるんだよね」
そう口にするジェミンの横顔は
どこか、切なく 陰りを見せた。
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きむロン - なにこれえッち！！！やだ恥ずかしい！！！（） (2021年3月19日 10時) (
レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - 遊郭と韓国アイドルの世界ってなんだか似てるなって思いました (2021年1月25日 2時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 既視感があると思ったら3年か4年前に読んでい方の作品にまた出会えて本当に感激です泣ありがとうございます！ (2021年1月3日 3時) (レス) id: 7a2ecf4d8f (このIDを非表示/違反報告)
獺 - 焦がれるほどお待ちしておりました。再び貴方の文学に触れられると思うと眦が熱くなるような気すらします。素晴らしいあなたと、素晴らしいあなたの文学が本当に大好きです。 (2020年12月20日 11時) (レス) id: 5140f050ee (このIDを非表示/違反報告)
理沙 - 文字から伝わってくる色気が凄いです…。風景が簡単に浮かんできます。設定もそれぞれに合ってて、（特にテンちゃんのキャラ最高です笑）全員がどんな風に出てくるのか今からとても楽しみです。 (2020年12月18日 21時) (レス) id: ba6de82bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月
| 作成日時：2020年12月17日 17時
