【刀剣乱舞】役人さんの諸事情 (ページ12)

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１０話緊張ページ12

髑「俺がドアを開けるから、お前は周りを警戒しながら入れ」

『わかりました』

小声で合図し、黒帯がそっとドアノブを掴む

私は周りを見ながら少しずつドアに近づいていく

今のところ周りの気配はない

お互い顔を見合わせて頷いた

バンｯｯｯ！！！

思いきりドアを開け、刀を向けて入る

しかし

『は...？』

そこには審神者の姿はなく、
薄暗い部屋の中、役人が血を流して倒れていた

そんな、この部屋から審神者の霊力を感じたのに

髑「なんで...白狐その部屋から出ろ！！」

『え？』

振り返ると黒帯が刀で弾き飛ばされていた

『黒帯！！』

部屋から出ようとしたとき、思わず体が固まる

「なに人様の部屋に忍び込んでんだぁ？」

人の血がついた刀をもった審神者が歩いてきたのだ

しかも、あの刀は鶯丸

やつから霊力を感じる

まさかと思い、壁を見ると札が貼られていた

あれでこの部屋にいると思わせたのだ

審神者はまだ私の存在に気づいておらず、ちょうど部屋に入ろうとした黒帯だけを認知したようだ

ドアを閉めたらバレる。でも開けたままにしておいたらバレる

結論からしてどっちみちバレる

逃げ場はない。とりあえずこの役人の血を止めたいけど...

倒れてる役人の鼻に手をやると、わずかに息をしていた

お腹を深く斬られたと見る

この人を巻き込まないようにするためには移動しなければいけない

でもそんな時間もないし、放置しておくと死んでしまう

どこか隅に隠れて誤魔化すか...？

「そういやなんか白狐とか聞こえたんだが、仲間でもいるのかぁ？」

足音がこちらに近づいてきた

うっそだろおい