15コール 生活 ページ16
*
「ところで、手前の名前はなんて云うんだ？」
彼がそんな事を聞いてきたのは、ご飯を食べ終わって暫く経った頃
(彼が料理を作ってくれたので)私が皿洗いをしていた時である
『え？』
聞かれて始めて、そうか云ってなかったか、と気づいた
名前、と云うものは普段当たり前にある故に気づきづらいものなのかもしれない
…いや、私が抜けていただけか
『私の名前は、…A、…七海Aって、云います』
「へぇ、Aか」
聞いてきたくせして大して興味なさそうに、彼は手に持っていたペットボトルの蓋を開け、その水を自らの口に運んだ
いつのまにシャワーを浴びてきたのだろう、その橙色の髪は濡れていて、肩にはタオルをかけている
と、彼が水を飲みながら、横目で私を見やる。
…そして、私の手元を指差した
『あっ』
いつのまにか手が止まっていた事に気付き、慌てて作業を再開
少し恥ずかしくなって、ひたすらにスポンジでお皿を磨いた
「おい、ちょっと貸せ」
そう声がしたかと思うと、気づいたらすぐ側まで来ていた彼の手が、私からお皿とスポンジを奪った
そして私に代わって皿洗いを進めていく
『あ…』
「ったく。手前、鈍臭ぇんだよ。皿洗いにいつまでかかってんだ」
そう云う彼の手は、彼の云うとおり私よりも早く作業をこなしていた
結局皿洗いまで彼にさせる事になってしまい、私は途端に申し訳なくなった
本当、不甲斐ない限りである
『すみません…、美味しい料理もつくってもらったのに……』
つい落ち込んでしまうと、彼がそんな私を見てバツが悪そうに視線を泳がせた
暫くその視線が右往左往した後、ガシャンと派手な音を立てて彼の持っていた皿がシンクに置かれる
「ったくよ！…んな顔すんな！大丈夫だから、手前は風呂でも入ってろ！」
『え…？』
「いいから行け！」
彼は風呂場の方を指差して、怒鳴った
これは、…“こっちは俺がやるから、手前はゆっくり休んどけ”…という意味で捉えていいのだろうか……
優しいんだか、そうじゃないんだか……
否、
『横暴だ……』
「何か云ったか？」
『いえ別に』
彼が恐ろしい形相で睨んできた為、私はすぐさま風呂場へと撤退した
…お風呂からあがった私が、
私のベッドに大の字で眠っている彼を見ることになるのは、また、別の話_____
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水瀬琥雪 - うぅ…好きです！！こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (
レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った？wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか？よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
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