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7、ちょっとした昔話 ページ8

目を開けるといつもそこには闇が広がっていた。

闇はいつも私の隣にあって

いつも光へ逃げ込もうとする私を

無言で闇の底に引きずり込むのであった。


ーーー
ジャルドーレはとても良い場所だ。少なくとも元々私が居た研究所よりは良いと私は思っている。

私は元々披研体だった。小さい頃に研究所につれてこられたらしく親は顔も覚えていない。研究は新薬の臨床実験だと教えられていたが、今となってはそれが本当だったのかすら分からない。

山ほどの薬を体の至るところに打ち込まれ、時々新薬のテストだと言われて同年代の子達と殴り合わされたこともあった。極めつけに研究者は私の体に寄生虫を寄生させた。パラサイトセラピーとか言う治療が戦闘に使えるかどうかの研究らしい。簡単に言えばこの時私は無理やり人道から弾き出されたのだった。

そこからはいろんな物が変わってしまった。髪は色が抜け落ちて灰色っぽくなった。呼吸も食事も要らなくなった。怪物になってしまったと言う思いで耐えきれなくなり、私は研究所を抜け出した。

宛もなく走り続けて古びた教会にたどり着いた。そこはジャルドーレの外れに位置する場所だった。私はその教会の地下にあった死体の安置所で約5ヶ月間過ごした。
その日は月がいつもよりも綺麗で、なんの変哲もないただの夜になるはずだった。流石に怪我をしても直ぐに回復するとは言え体に貯まった疲労は激しかった。疲労で目の前がぼやけて見えなくなっていく。どうせ簡単に死ねないのに死にたいと思った。そのときだった。教会の扉が開く音が聞こえた。

「こう言う廃教会は案外殺人犯が死体を放置していたりするからなぁ。腐敗臭はしねぇけどなんかありそうだな…。えっと、タバコタバコ。」

声からして男の人らしい。そしてその人が下に降りてくる音が聞こえた。目が合う。男は私を見たとたんに何かを叫んでいたが、私は意識を失ったため何て言っていたのかはわからなかった。

8、ちょっとした昔話2→←6、残された手記



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地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時

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