21、崩壊 ページ22
回復が追い付かなくなると言ったがそれは回復が追い付かない程のダメージを与えた場合だ。このまま攻撃を繰り返してもすぐに再生してしまうだろう。
「おいコト。なんだったらこいつに回復が追い付かない程のダメージを与えられる?」
何か答えが得られると思い、ハザマはコトに問いかけてみた。
「…多分、私を殺せるくらいのものだったら行けると思うよ。例えば、この部屋を無菌状態にするとか…」
無菌状態にすると言う案が出たが、無菌状態にするとコトまで拒絶反応を起こして戦えなくなる可能性がある。それにコトの体にいる寄生虫がウィルスアーキアであるため無菌状態になると拒絶反応を起こすだけであり、相手のなかにいる虫がコトと同じとは限らない。そもそも、どうやってこの空間を無菌状態にすればいいのだろうか。
「他に何かないのか?」
「か、核爆弾なら…」
「ふざけるなぁ!!」
「ふざけてなんかいない!元々パラサイトセラピーは…戦争においての歩兵戦及び核戦争でも生き残り戦い続けることができる最強の人間兵器を創造する目的で作られている!」
初めて声を荒げたコトの発言にハザマはギョっとして目を見開いた。パラサイトセラピーは戦争を想定して人間兵器を作ることを目的として作られた。それはつまり…少なくとも異形達とパラサイトセラピーを作ったあの男は…戦争を起こそうとしていることが分かる。
『アぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ここでゼロの攻撃が再開された。ハザマはそれを紙一重で交わして切りつけるが、結局はあの緑煙が出て来て傷を再生してしまう。援護を頼もうとコトの姿を探すが、なぜかコトはちょっと目を離した隙にどこかに行ってしまった。
その後もハザマは何度か攻撃を避け、その度にゼロが実験室の壁などにあたってヒビが入っていく。仕舞いには、実験場全体が軋み始めた。
『自爆プログラムが作動しました。この施設は約30分後に爆発します。職員の皆様は、速やかに避難を開始してください。』
なんとあの男は証拠を全て消すために施設の自爆プログラムを作動させたのだ。施設のあちこちで爆発音が聞こえ出した。
「くそっ!まずいな…」
このままでは自分達も巻き込まれてしまう。そう思った矢先、ゼロに変化が起きた。身体中に無数のアザが浮かび上がり、体を痙攣させて動きを止めたのだ。この反応をハザマは見たことがある。コトの拒絶反応と一緒だ。上を見ると、男がたっていた場所にあるcpに同じように持たれるコトの姿があった。
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地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時