検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:6,952 hit

1、依頼 ページ2

朝の光に包まれたジャルドーレはいつもどうり賑やかだった。雲一つ無い快晴のなか、目覚めた人たちが動きす。

そんななか、路地裏の俺の事務所には朝っぱらさら珍しく依頼人が押し掛けていた。来ていたのはヤードの連中だった。

「ここ最近、変な遺体を見かけなかったか?形が変形していたり、何か手に持っていたり…」

腐乱死体なら形が変形しているのはしょっちゅうだし、何か握り閉めたまま亡くなるのだってよくある話だ。特にこれといって引っ掛かるものがなく、そのまま返答した。

「…実は、ある方の遺体の回収を頼みたい。この方だ。」

そう言ってヤードは内ポケットから一枚の写真を取り出した。ボケていない綺麗な写真には金髪の色白の女性が写っている。

「エリザベス・ロービット夫人だ。一週間くらい前に郊外の庭園に散歩にでてから消息が分からなくなっている。」

「一週間前…散歩に出てって、一人で行ったのか?」

「いや、数人腕利きの護衛を配備していたんだが…夫人は失踪。護衛は全滅、皆殺しに。目撃情報も無しで…。」

腕利きの護衛が皆殺し。目撃者も無しか…

いつもなら大抵すぐ引き受ける所だが、俺は今回に限って深く考えた。理由があるのだ。

「…そ、それで!引き受けてくださるのですか!?」

考え込む俺の様子を見て、ヤードがすがるように声をあげた。さっきまで淡々としていた様子からは想像できないほどの変貌ぶりに思わず吹き出しそうになった。

「死体一体につき一万ポンド。それで引き受けてやる。」

「い、一万ポンド!?」

なかなか高額な依頼料だが割にはあっていない。こっちは時には死と隣り合わせの場所までいくんだ。命はたった一万ポンドで買えるほど安くはない。

「わ、わかりました。旦那様に報告しておきます。それでは、よろしくお願いしますよ。」

そう言い残してヤードは出ていった。一人になって静まり返った部屋で俺はタバコの煙を思いっきり吐き出し、机に向かった。

置かれていたファイルを開き、中に先ほどの探し人の情報を挟み込む。そして、さっき依頼を受けるか悩んだ訳は…

「…これで丁度二十五人目。大人だけが失踪…。駄目だ、情報があまりに足りなすぎる。」

最近のジャルドーレにはある噂が流れている。

ジャルドーレで人が消える。大人だけが失踪し、子供は一人残される。

2、情報→←始まり



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。