story.16 ページ16
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「ん、どうした？そんなに見つめて」
『っ！…い、いえ…』
どこで見たっけ…と必死に記憶を手繰り寄せていると、手元のケーキに夢中だったはずの彼が、気付けばこちらを見ていた。はっとして、目を泳がせる。
やだ、私そんなにガン見してた…？
失礼な事を…とあわあわする。
が、次の瞬間さりげなく距離を近くされて、彼の整った顔と真っ赤な髪が急接近した。
香水のような、微かな匂いが鼻をかすめる。
『！』
唐突な密着に動揺を隠せず、思わずフリーズする私。
しかし彼はそんな事なんてお構いなしに、じっと見つめてくる。
…近頃はなぜこんなイベントが多いのか。
そういえば昨日もこんな事をされた気がする。
『っあ…えと、どうしましたか？』
さっきまでの明るく陽気な雰囲気が一変して、独特な色香を滲ませる彼。
挙句の果てには、顎にそっと手を添えられる。
高鳴る心音を隠して、伏し目がちに俯いていた私の顔をくいっと持ち上げると、強制的に自分に向き合わせる。…所謂、顎クイというものか。
『な、なにを…？』
視線を避けようにも避けられない。
完全に切れ長の瞳は私を捉えてるし、襲い掛かる色気に平常心を保つのも精一杯で、頭が混乱する。…いや、この状況でしない方がおかしい。なんなんだこの展開は。
急な謎すぎる彼の行動に疑問符が大渋滞しつつも、黙って見つめていると、そこでぼそっと彼が一言。
「……可愛いな。あんた」
『…っへ？』
唐突な呟きに、思わず変な声が出る。言われた事を理解すると、更に心臓が跳ねた。
すると遅れて数秒後、彼もそれは無意識の一言だったらしく、はっとすると慌て始めた。
「そういえば…名前」
『…？』
「俺、あんたの名前聞いてなかったな」
真っ赤になる私をよそに、彼はふと思い出したように言った。
…こんな恥ずかしい事しといて、よくそんな真顔でいられるなあんた。
心の中でツッコミつつも、はっとした私は慌てて口を開く。
『…っは！こ、これは失礼しました。
名乗るのが遅れて…私、Aといいます』
「Aちゃんか！可愛い名前だな！」
さっきされた事もあってドギマギしながら言うと、彼はにかっと満面の笑みを浮かべる。
すると長らく、いや時間にしたらきっとほんの数秒なんだろうけど、拘束されていた手をパッと解放された。
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シュガーブレット(プロフ) - ワンにゃんさん» うっｯ……(温かすぎるコメントに作者絶命) こんな更新速度亀かよぉぉぉ！！あぁん？！(？) みたいな小説にそんなお優しいコメントをくださるなんて…( ;∀;) テスト頑張ります！ありがとうございますぅぅ！(´；ω；｀) (2020年7月13日 19時) (
レス) id: 546a702772 (このIDを非表示/違反報告)
ワンにゃん - 更新楽しみにまってます！テストでいい点数取れるように頑張ってください！ (2020年7月13日 2時) (レス) id: ef2c77108f (このIDを非表示/違反報告)
シュガーブレット(プロフ) - 龍影雫さん» そそ、そんな優しいお言葉を…！！めちゃめちゃ励みになりますぅうぅぅぅぅぅぅ(迫真) 前回に引き続き、龍影雫様のコメントには頭が上がりません( ;∀;) (2020年6月14日 15時) (レス) id: 546a702772 (このIDを非表示/違反報告)
龍影雫(プロフ) - 今の時期、学校+更新ってなると色々大変ですよね…分かります。お互い乗り越えていきましょう！ (2020年6月14日 9時) (レス) id: 3ae87b76e5 (このIDを非表示/違反報告)
シュガーブレット(プロフ) - 唐柿煮さん» うわぁっ先輩…！！(ﾟДﾟ;)パイセンにそのような言葉を頂けるなんて嬉しい！(？) ありがとうざございます！ (2020年5月12日 0時) (レス) id: 546a702772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュガーブレット x他1人 | 作成日時：2020年4月1日 16時
