マフィアのおにいさま。 (ページ6)

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5話ページ6

コウジさんに別れを告げて、私とお兄様は
ダテさんの家にお邪魔させてもらいました。

「仕事が終わるまで、部屋は好きに使っていいからね」

我がファミリー幹部のダテさんの家はお城のような作りで大きな階段には赤いカーペットが敷いてあります。

「ありがとう。」

「ありがとうございます。」

「堅苦しくしないで。家だと思って欲しい」

そう言ってダテさんはクッキーと紅茶を出してきました。

「このクッキー手作りしたんだ。ヒカルとAちゃん召し上がって」

「ありがとうございます！いだきます！」

「いだきます」

１つ口に入れただけでわかりました。バターと卵が一級品のものが使われてるんです。

さすが、貴族といったところでしょうか。

「、、うまい！」

甘党のお兄様も感動していらっしゃいます。

「今まで食べたクッキーの中で1番おいしいです！」

「言い過ぎだよ。食べてくれてありがとう。」

ダテさんはさわやかな笑顔をした後、急に鋭い表情になりました。

「例の件なんだけど、食べながらでも聞いてほしい」

ダテさんは先程のさわやかな様子とは違い、殺気が少し溢れていて、クッキーを食べている場合じゃないと思い手を止めました。

「この街は歓楽街があり、そこでは接待や人の売り買いが国から認められている。しかし、接待や売り買いはお互いに合理の上じゃないといけない。」

「そこで誘拐してきた女性たちを納得させて働かせるのって難しいじゃないでしょうか、、まさか逆らったら殺すとか脅してるんじゃ、、」

「いいや、、脅してるんじゃない、、その逆だ
納得させているんだ。特別な力でな」

お兄様が私の手をぎゅっと掴みました。
いつも私の手を掴む時は、心配や不安を感じているんです。

「特別な力って、、」

「催眠術系のたぐいを使っているとだけ情報が入ってる。俺も部下を何人か失って怒りを感じているよ。」

また、潜入に行った部下さんたちが次々と殺されたり、催眠術みたいなので操られたりとしたと表情をこわばらせながら話していました。

お兄様は終始、私の手を掴んだまま離さず、眉毛をぴりぴりと振るわせていました。