浮気されました。2【センラ】

第3話　君のネックレス ページ3

*


　«もう一回チャンスをくれませんか？»









　Aに送ったLINEは既読スルー。やっぱり怒ってんのかな？いや、当たり前よな……









　「千羅くん、帰ってたんだ！お帰り！」









　Aと関係が崩れた頃から、村上さんは何かと理由をつけ、俺の家に居座るようになった









　正直言って来んといてほしい……っていうのが俺の本音









・









　「あれ…。ないっ！！嘘やろ！？」









　いつも枕元に大事に置いてあったはずのネックレスがない









　「…ねぇ、ネックレス知らん？枕元に置いてあった」







　「………し、知らないけど…」









　ぎこちなさそうに下を向きながらそう呟く村上さんに違和感を抱く。









・









　「ねぇ、あんま疑いたくはないんやけど……。もしかして持っとる？」







　「………ごめん…なさい。持ってる……」









・









　「………は？なにこれ。」









　持っとる、と言ったあと、村上さんから手渡されたネックレスは無惨に千切れたネックレス









　「何これ…。」







　「………こ、これが無くなれば……私に振り向いてくれるかなって……」






　「なんそれ……。」









　そんな理由で？









　「……最低やな、お前。」









　今のでわかった









　「やっぱり俺にはAしかおらんのんやって……」









　いつの間にか、涙が溢れていた






　溢れる涙の意味はなんなんやろうな









・









　でも今の俺に残っていたのはAへの罪悪感しかなかった


*

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