長男を振り向かせたい【竈門炭治郎】【現パロ】

１５．待ち伏せ ページ15

宇｢A、もう上がっていいぞー。錆兎は会計業務教えてやるから少し残れ｣




私と錆兎は各々返事をした。




私はひと足早く上がりということで、着替えて裏口から出ると、頬に温かい何かが当てられる。




竈｢お疲れ｣




そう言って炭治郎さんはホットミルクティーの缶を渡してきた。それを素直に受け取り




『え、まさかずっとここで？』




と聞くと、当たり前のように頷き





竈｢そうだけど？｣




そう答えた。





こんな寒い中…って、雪まで降ってきた。




『うぅ…寒い…。手袋もマフラーも持ってきてない…最悪…』




私がそう呟くと、炭治郎さんは私の手を自身のアウターのポケットに入れた。




『ちょっ…！』




慌てて手を引っ込めそうになったけど、ポケットの中で炭治郎さんが私の手をぎゅっと握ったから無理だった。




そして




竈｢こっちの方があったかいだろう？｣




ああ、これが俗に言う王子様。




ドキドキと高鳴る心臓を落ち着かせ




『そうですね。あったかいです』




あくまでも平然を装って答えた。




彼が匂いで気持ちが分かるなて露知らず。

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