幼少時代 第八話 何故見てくれないの? ページ10
「あ……」
長絝を履けばよかった。
丁度包帯を巻いていた所が中原幹部に見えてしまったようだった。
中原幹部は何故かこういうのに鋭い。
怪我をしたらすぐに見付かってしまう。
「相変わらず、ですね。」
中也「は?」
「ふふっ何でもです。」
今回は作ちゃんが手当してくれたけれど、実は言うといつもは中原幹部がしてくれる。
私がポートマフィアに入ってから相当気にかけてくれる人だ。
優しい。
それ以外に思い付かないほど優しさの塊の人だ。
ポートマフィアの幹部なのに。
中也「次から俺に言えよ。いィな?」
覗き込まれる様に私の顔を見る幹部。
お兄ちゃんみたいだ。
───私の兄とは大違いで。
「はい」
私がそう言えば、中原幹部はよし、と満足そうに笑い私の頭をポンとひと撫でした。
「か、幹部?」
中也「くくっ、じゃァ俺に行くなからな。」
「あっ、はい!お仕事頑張ってください!」
ガバッと頭を下げる。
パタンとドアが閉まる音がしてゆっくり顔を上げた。
中原幹部はいない。
「あんな、お兄ちゃんほしぃな。」
優しくて、温かい人。
ポートマフィアの人間なんて信じられないと思う。
「お兄ちゃんはー」
私の兄は、そんな人ではないから。
私が迷惑かけたくないと思い始めたのも、お兄ちゃんがポートマフィアに入る頃から私に冷たくなっていたから。
酷くなったのは私がポートマフィアに入ってからだけど。
言われていたのは元々だから。
当たり前だと思ってた。
家族はそういうものだと。
けれど。他人でもあれだけ私に優しくしてくれるのなら、何故、お兄ちゃんは私に冷たいの?
私は愛されてないのかな、妹なのに。
嗚呼、作ちゃんや中原幹部がいいと思っておきながら、やはりお兄ちゃんを必要としてしまう。
優しくして、と思ってしまう。
お兄ちゃん
───何故、私を見てくれないの?
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水無月(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - レイさん» わっ!ありがとうございます……!めちゃくちゃ嬉しい! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - すごく面白いです!更新待ってます! (2019年7月5日 21時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 続きが凄く気になります!体調に気をつけて、作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年7月5日 7時) (レス) id: ff621c54c8 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - "(ノ*>∀<)ノありがとうごさまいます!すっごく嬉しいです!続き待っててくださーい! (2019年6月27日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2019年5月31日 21時