幼少時代 五話 最大の強味と弱点 ページ7
森「太宰くん。」
「っ…」
森「これが君の最大の強味であり弱点だ。」
太宰治お兄ちゃん。
私の兄
私の…1番関わりたくない人。
違う 〖 関わってはいけない人 〗
森「私が君をポートマフィアに率いれてから早数年。君の最近の行動を見れば分かる。
君は明らかに太宰くんのみによそよそしいのだ。」
「それ、は。」
森「一体何が原因かな?まあ、太宰くん関連なのだろうねぇ。
ねぇ?Aちゃん。」
首領は手に顎を乗せながら口元に薄い笑みを浮かべた。
首領は……森さんはなんでもお見通しに見える。
それこそ、私の異能力の事まで。
…けれど。
ここで、バレたくはない。
お兄ちゃんにだけは伝わって欲しくない。
お兄ちゃんは、駄目。
「首領がそのように言ったところで無駄です。
私は異能力など持っていないのです。
確かに私は太宰幹部に迷惑はかけたくないと思っています。けれど、異能力を持っているのなら、兄に認めてもらおうと隠す必要はないと思いますよ。」
首領の眼をじっと見つめる。
相変わらず真意は読み取れないけれど、細められていたはずの目は真剣になり、何秒か私達は腹の奥底を探るように目を逸らさなかった。
森「ふむ、分かった。」
先に声を上げたのは首領だった。
森「今日はもういいよ。聴きたいのはそれだけだったのでね。
……また後日呼ぶとしよう。」
首領、貴方は一体いつまでこんなやり取りをする気ですか……。
諦めが悪いと言われたことないですか?
心の中で大きくため息を着けば、席を立ち上がる。
「そうして下さい。私は仕事がない限りいつでも暇してますから。
いつまでも、同じことが聞きたければまた、お呼びください。」
深く頭を下げ、退出する。
その際に首領が「ああ、Aちゃん。」
と私の名を呼ぶ。
振り返るとギラリ眼を光らせた首領がこちらを見ていた。
「君と太宰くんは本当に〖兄妹〗なんだよね?」
何故、そんな事を聞くのだろうか?
「そうですけど、何故です。」
森「ふふふ、何でもないよ。」
「?」
よく分からないけれど、まあいいか。
私は小さな歩幅で歩き出す。
私は、妹であり、子供である。
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水無月(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - レイさん» わっ!ありがとうございます……!めちゃくちゃ嬉しい! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - すごく面白いです!更新待ってます! (2019年7月5日 21時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 続きが凄く気になります!体調に気をつけて、作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年7月5日 7時) (レス) id: ff621c54c8 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - "(ノ*>∀<)ノありがとうごさまいます!すっごく嬉しいです!続き待っててくださーい! (2019年6月27日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2019年5月31日 21時