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幼少時代 二話 ページ3

織田「お前はまだ子供だからな」

作ちゃんは私に言い聞かせるような優しい声音で言った。
それと同時に包帯が巻き終わった。

「ありがとう、作ちゃん。」

私は手当してもらった足をプラプラさせる。
うん、やっぱり作ちゃんは上手いなぁ

私のように少しも乱れたりせず、綺麗に包帯が巻かれている。こんな事言ったら失礼だけど、見た目に反してとても器用だなと思う。

「今度またお願いしようかなー?
私がやると上手くできないもん。」

織田「いつでもやってあげるが成る可く次は無いようにしてくれ。」

「うーん…そうだね。」

ごもっともです。と言って舌を出す。

作ちゃんはそれを見て笑いながらため息をついた。本当に作ちゃんは優しいな。

作ちゃん、お兄ちゃんみたい。

織田「A」

ふと、作ちゃんが私の名を呼ぶ。
その声と瞳は真剣みを帯びていて、私もつられて少し低く「何?」と言う。

織田「お前は、使えるだろ。わざわざ銃や蹴りやらしなくてもお前のそれでなんとか出来るだろう。いい加減それを使え、死ぬぞ。」

「………」

作ちゃんが言っている『それ』と言うのはこの世界に存在する力。

「異能力は───」

私は声に出して言う。

「……私の異能力は最弱だよ。優秀なお兄ちゃんに迷惑がかかっちゃう。それに私は出来損ないだから。皆には隠しておかなきゃ、だから」

織田「使えないというのか」

作ちゃんは私の言葉を遮る。
小さく頷いた。
それが使えない理由だから。

作ちゃんは少しの沈黙の間、ふぅっと息をつく。呆れたかもしれない─
怒られるかもしれない。

けれど、作ちゃんが言った言葉は私が想像していた言葉とは違った。

織田「無理をするな。我慢をするな、お前は出来損ないじゃない。俺から見れば優秀な良い子だ。例え、太宰がそう言ってもお前がそう言っても俺はそうは思わない。

だから、甘えろ。お前は良い子だ。」


お前は15にすらならない幼子なんだ。

作ちゃんはぎこちなく私を抱きしめた。
とても温かい。

作ちゃんはなんでこんなにも私の欲しい言葉をくれるんだろう。


作ちゃん───

「ありがとぉ……」


泣かない私が初めて人前で見せた涙が今日だった。
作ちゃんの優しさが胸に染みる。


作ちゃんがお兄ちゃんだったら──

そう思った時のことだった。

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水無月(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - レイさん» わっ!ありがとうございます……!めちゃくちゃ嬉しい! (2019年7月6日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - すごく面白いです!更新待ってます! (2019年7月5日 21時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 続きが凄く気になります!体調に気をつけて、作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年7月5日 7時) (レス) id: ff621c54c8 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - "(ノ*>∀<)ノありがとうごさまいます!すっごく嬉しいです!続き待っててくださーい! (2019年6月27日 18時) (レス) id: 451a5f317f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水無月 | 作成日時:2019年5月31日 21時

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