天才転校生たちは知っている高校生編 part2 (ページ32)

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海斗&風馬　俺らが小さい頃ページ32

海斗side

「上杉らが計3つ解除。警察が2つ解除。俺らが1つ解除と1つ途中。残り8つ。」

フウがスマホを操作し、今の状況を教えてくれる。

一方の俺は、爆弾を相手にしていた。

結構根気がいる作業だし、ナツとか悲鳴上げそ。

ニヤニヤしながら解体作業をしていると当然のごとく

「おい、何笑ってるんだ。」

とフウからツッコミが入る。

「ごめんごめん。こういう作業、ナツなら悲鳴を上げるかなって思ったけどやっぱり取り消す。ナツって頑張り屋だし。」

よし、爆弾解除。

「確かにな。覚えてるか、俺らがまだ幼稚園生ぐらいの時はナツはずっと俺らの事は大嫌いだって言ってた事。」

「懐かし。ナツ、口癖みたいに言ってたよね。」

あの頃は俺とフウは謎解きに夢中。

一方のナツはトランプやUNOなどのカードゲームに夢中だった。

カードゲームは1人では遊べないものも多い。

だから最初は俺らに遊ぼうって言ってきたんだけど、俺らは謎解きをするからっていつも断っていた。

で、仕方なく大地と美樹に遊んでもらってたんだけどあの2人も中学受験が近づくと遊んでくれなくなった。

父さんと母さんはその時から仕事が忙しくなってしょっちゅう海外に行っていたしナツ、結構寂しかったみたい。

だから気を引こうと大嫌いって連呼していたんだ。

でも俺らはちっとも気にしない。

でね、ナツはどうしたかというと物置に行って、もう俺らには簡単すぎて読まない謎解きの本を引っ張り出してきて熱心に読み始めたんだ。

最初はすぐに飽きるだろうって俺もフウも思ってたんだけど、それが1週間続いて、1ヶ月続いて、ついに3ヶ月続いた。

で、ある時聞いてきたんだ。この問題わかる？って。

俺、驚いたよ。

こんなにもナツが頑張り屋だって思わなかったから。

フウも全く同じみたいだった。

それから一緒に謎解きをするようになったんだ。

そして小学5年生の夏に初めて事件を解決した。

それがきっかけで俺とフウは探偵になった。

ナツはモデルを目指したいからって断られたけど。

でも、やっぱり俺らと一緒に探偵をする方が楽しいって言ってこっちに来てくれたんだ。

「よし、解除した。」

フウは爆弾を慎重に観察してから呟いた。

「了解。連絡しとくよ。」

フウが頷くのを見ながらメッセージを送信した。

海斗3つ解除出来たよ。