もみ消して冬

26話 ページ29

秀作side

秀作:はい…分かりました…ではのちほど

僕は今電話をしている

秀作:小岩井が警察に保護されたって

A:え？なんで？

秀作:飛び降りようとしてたって

知晶:どうして小岩井が？

泰造:心当たりがないのか？

秀作:全然。昨日もいつも通りだったし

博文:俺に心当たりがある。小岩井はメイド喫茶にハマっていたんだ

知晶:嘘よ小岩井によってそんなことあるはずないわ

博文:いや昨日確かに俺は見たんだ。店から出ていったところを俺に見られて走って逃げたんだ

A:別に良くない？小岩井の自由でしょ？

そうだ！

秀作:メイド喫茶に行くぐらい

泰造:行くぐらいとはなんだ！

博文:執事がメイド喫茶に行っているなんて週刊誌が面白おかしく書くにちがいない

いま話題の週刊○春の事かな兄さん

博文:執事がメイド喫茶にハマっていたんなんていかにも見出しになりそうだろ

A:でも…

博文:いいかAもう一度言うぞ執事がメイド喫茶にハマっていただぞ…

兄さんどうして！？

どうしてもう一度言った？

博文:俺なら買うｸｸｯ

知晶:小岩井は兄さんに見られたことによってクビを覚悟したんじゃないかしら？それで人生を悲観して

泰造:なんて馬鹿な真似を

Aえ？もしかして小岩井を辞めさせたりしないよね？

秀作:そんなの嫌だよ？

泰造:北沢家の名誉を傷つけるのは立派な契約違反だ

博文:辞めてもらう以外に選択肢はない

秀作:いやちょっと待ってよ

A:そうだよ考え直してよ！

秀作:20年も懸命に働いてくれた小岩井にそれはないよ

博文:それじゃぁ解雇じゃなくて辞職にしてやるそしたら辞職金が降りる。あいつには問題ないはずだ

A:お兄ちゃん！

博文:あの歳まで働いてくれたんだ金に困ることもないだろ

知晶:松也が意外と使い物になりそうだし、辞めてもらうのにいい機会じゃないかしら

泰造:残念だが、あいつの居場所はもうここにはない

A+秀作:僕／私は小岩井を信じてます

秀作:本人の口から結論を聞くまで待ってください

〜警察署〜

小岩井:こんなにもお騒がせさしてしまってなんとお詫びしたらいいのか

秀作:ねぇ小岩井ほんとに死のうとしたの？

小岩井:いえまさかたまたま海を眺めていた場所がそういう名所だっただけで

A:ほんとに？

小岩井:ええ

秀作:あのさ兄さんから聞いたんだけどメイド喫茶に通ってたなんて嘘だよね

小岩井:いえ間違いありません

A:え？どうして

小岩井:申し訳ございません

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