【文スト】自傷癖少女は取柄のない異能力者【太宰治】

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ある日、太宰さんにこんなことを言われた

太宰「Aは、幸せって何だと思う？今探偵社の皆に聞いて回っているのだけれど、なかなか面白くてね」

なぜ此の人は急にこんなことを始めたのだろうか

人々が論理的に追い求めている「幸せ」


私にとっての幸せ…なんなんだろう

でも、多分


A『福徳円満でも、心満意足や家給人足でもない、普段の此の日常が、私にとっての幸せだと思ってます』

太宰「これはまた面白い回答だね。自傷癖の君の事だから分からないと答えるかと思ったよ」


太宰は実に驚いたような顔で言った

え、そんなに驚く？少なくとも貴方よりはマトモに生きてるよ私←


A『…分かるわけ無いと思います。幸せとは、心でふと感じることなので』

太宰「其れもまた意外な答えだ・・ところで、自傷は？腕見せて」

A『え…あ、はい』


今度は私が驚いた

こないだ(４話での出来事)があってから自傷は控えている、其れでも癖だからやめれないのだが

太宰さんは私の腕を見るなり、ちょっとだけ悲しそうな顔をして


太宰「前より傷は減ってるね、完全に自傷癖が治るのが、一番いいのだけれど」

A『貴方のその希死念慮な性格も治るのが一番いいんですがね』

太宰「無理な話だねぇ」

A『お互い様ですね』


ふふっと笑うと、太宰さんがさっきよりも驚いた顔をした

どうしたのかと顔を覗くと、そっぽを向けながら


太宰「ちょ、今は見ないで…」

A『え？』


すると、目の前が真っ暗になった

暗くしているのが太宰さんの手だと認識し、余計にワケがわからなくなった


A『ちょ、太宰さん？』

太宰「本当に暫く待ち給え」

A『…？(困惑)』


そして暫くすると、ふと明るくなった

まぶしくて目をすこし瞑った


視界がマトモになり太宰さんを見てみると、私に「いつもの店で飲もう」と言って外に出て行った


たぶんあの様子じゃ入水しにいかないだろうからほっといた

だが本当に、何だったのだろうか

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