*･ﾟ*･ﾟアイドル好きで何が悪い*･ﾟ*･ﾟ

疑似体験 ページ3

世の中に『イケメン』と称される人は意外と多い。

現に、学生時代も学年に1人は『イケメン』と騒がれていた男の子がいたし、ここ数年通っている美容室の私の担当さんも、いつだか『イケメン美容師』の特集で雑誌に取り上げられていた。


そして、この『イケメン』こそが、私の『アイドル好き』の発端なのだ。


時に、私のイケメン・アイドル好きは一部の友達から否定的な目で見られたり、呆れられたりしてきたけれど。

人の好みなんてそれぞれでしょう？

優しい人に癒される人もいれば、私のように、カッコイイ男の子を見ることが、生きる糧になっている人がいたっていいと思うの。


それに、迷惑さえかけなければ、アイドルを相手に都合のいい妄想だって自由だし。

もちろん、妄想は妄想でしか無いってことは、十分に分かっているけれど。


だからこそ私は。


｢お待たせしました、カプチーノです｣


今日もココに通っている。


｢ありがとう｣


カプチーノを運んでくれた、モデルみたいな美少女に見蕩れながらも、視線はすぐに店内を彷徨う。


……あ、居た。
見つけた。


丁度厨房から出てきた目黒淳くんを発見。
いや、本人じゃないことは百も承知だけれど。


あ〜、でも似てる。本当に似てる。

彼が目黒淳くんに似ていると思ったあの日から、仕事帰りにこのカフェに寄るようになって今日で3日目。

見れば見るほど目黒淳くんに似ている気がする。
そうそう、そうやって俯いた時なんかそっくり！

美味しいコーヒーを飲みながら、推しにそっくりな人を愛でられるなんて、あぁ…なんて至福な一時。


昨日、電話でアカリに彼のことを話したら、呆れられるを通り越して『ストーカーか！』と、怒られた。

違うのに。ストーカーしたい訳でもないし、彼を落としたいわけでもない。


ただ、レジを担当する事が多い彼の顔を、間近で見たいだけ。
私に向けられる可愛い笑顔が見たいだけ。



推しに、私だけに微笑んでもらえる疑似体験。


最高。

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