恋心に蓋を

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NOside


特進クラスの生徒達が歩いて1時間、たどりついたのは大きな門だった。


豊臣「こ、ここ？」


日下部「とっても大きな門ですわ」


黒田「同じ塀が続いているとは思っていたが…」


伊井「デカすぎるだろ」


　約10mはゆうに越えているであろう門。多くが目を見開いて驚いている



『皆様、此方でございます』



豊臣「Aちゃんってお嬢様やったん？」


　門を潜れば、目に入るのは大きな池にかかった紅い太鼓橋。


龍造寺「家に池があるばい」


伊達「竹中は知っていたのか？」


竹中「門までは来たことあるが、中は初めてだ」


加藤「池に鯉がいるくさ」


　驚きが止まらない生徒達。５分歩いても池は続き、家が見えてこない。既に、家と言うより屋敷だろう。


前田「まだ着かないのか？」


『ええ、もう少しでこざいますよ』


豊臣「あ、あれじゃないん？」


　豊臣が指を指すのは、道に灰色の石が正確に敷き詰められた先にある、４つ並んだ蔵。


『あれは書庫でございます』


黒田「全て書庫なのか！？」


　少し興奮気味の黒田。明智も心ばかりか目が輝いている。


『え、ええ。気になるのでしたら是非見学してくださって結構ですよ』


黒田「本当か！是非行かせて貰うよ」


　門から入って既に15分経過。池に橋がかかっていたり、蔵が並んでいたり時には桜や他の草木も咲き乱れている


『皆様、お疲れ様でした。此方が玄関でございます』


　勝田の両手で玄関を開ける所作は気品に溢れていた。20人が横並びになっても大丈夫な程広すぎる玄関。


今川「・・・旅館？」


真田「え、何かのお店？」


『いえ、自宅でございます』


榊原「そういや、凄すぎて忘れたけど、こんな大勢で押し掛けて迷惑じゃなかったか？」


酒井「親とかにも迷惑かけるんじゃ…」


豊臣「Aちゃんの親さんに挨拶…」


『ああ、その所はご安心をわたくし一人暮らしですから』


伊達「この屋敷で？どういうことだ」


『この屋敷はわたくし自身で管理しておりまして、両親は既に他界しております』


上杉「こんなに広いと手入れや掃除が大変ではないかい？」


『そうですね、庭師を1人住み込みで雇っておりますので庭の手入れなどは大丈夫ですね』



　そう説明し終わると家に上がるよう促す。



『客間にご案内致しますね』



　長い長い廊下を抜け、客間に向かう。途中、庭園や鳥のさえずりが聴こえとても風流であった。

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