君とは違う【skt】

34.伝わらない ページ35

坂田side



『あ、悠ー！おはよ』

さ「おはよー」

久々に学校に来たら、Aが元気よく声をかけてきた

『なんか悠の顔見たら安心したわ、ずっと浦田だけなのきつすぎ』

さ「仲良くしいや」

職場体験でちょっと仲良くなったかと思ったがやっぱダメかあ……

さ「そういえばスーパーは余裕ってなんで？」

『俺のバイト先スーパーだから』

さ「あー」

『お前は莉子とどうだった？』

さ「なんかお前らが双子なのかより一層怪しくなった」

そ「久しぶりー2人とも」

『お、一ノ瀬、どうだった？』

そ「うんまあ、なんか洗脳されかけた」

さ「え？」

彼方さんって教会とかそういう系の幼稚園とかだっけ？

『……ああ、あのクソ野郎と一緒か』

さ「誰？」

『莉子にべたべたしてる気持ち悪い奴』

さ「あ、まふか」

分かった俺も俺だが、言い表し方が今まで聞いた中で最底辺過ぎるA

良かった。何も変わってない、性格ひねくれてる素直なAだ

う「おい、坂田。ホームルーム始まるぞ」

さ「じゃあまたお昼に」

『おー』



さ「何で洗脳されそう？」

昼休みに、今朝のことを思い出したので彼方さんに聞いてみた

そ「ずっと、[あいつに騙されちゃダメ][猫かぶってるだけだって]の繰り返し。まふは俺をノイローゼにでもする気か？」

『そう言うなって。あいつは俺を敵だと思ってるんだろ？じゃあ友達思いじゃんか、喜べよ』

さ「でもこのまま誤解されたままってのも……」

俺はみんなにAのことをちゃんと知って欲しい

態度が悪いのも、1人だけ悪者みたいな扱いで何も言わないのも、今までが苦しかったからだって



『悠、余計なこと考えるなよ？俺は今のままで十分だから』

さ「え？」

『なんとなーくわかるよ。良いんだ、このままで。それに一緒に飯食うやつが2人もいるってすっげえ幸せなことだよ。ありがとう、悠』

A……そんなことで幸せって言っていいの？

こいつはまだ救われてなんかいない、絶対俺が……

そ「おーい坂田ー？」

さ「何』

そ「いや、大事なのは分かるけどあんま深入りするのも良くないよ？」

さ「別にそんなんじゃないけど……」

『大事って……会ってまだ2か月とかだろ？』

さ「そう？」

俺にとってはこんなに悲しそうに笑ってるのを放っておけないだけなんだけど、ダメなの？

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