君とは違う【skt】

16.理解できなくても ページ17

彼方side


家に来てから約30分。

そ「だから、ここがここにかかるから……」

『え、じゃあこういうことなのか？』

そ「……！と、解けたの？」

『てことは正解？よっしゃああああ!!』

長かった……ようやく最初の1問の解き方が分かったようだ

さ「やったなあ」

『はあ〜まじで助かるわ』

とは言っても、このペースだとテストに間に合わない

基礎を教えるだけでも大変なのに、応用まで入ってくるとなると……

それにこいつに教えるのだって本当は嫌。学校辞めたいなら辞めりゃいいじゃん

そ「ねえテスト間に合わないよ？スパルタにする？」

『俺ってそんなにやばいの？』

そ「やばいというかエグイ」

『……』

さすがの月代も黙り込んだ


『わかった。一応そ、それで頼むけど……バイトある日は勘弁して』

そ「は？お前バイトしてんの？」

確か禁止だったよな?このこと晒し上げれば、退学に出来るじゃん

バカだなあ、自分で自分の弱み話すなんて

さ「彼方さんお願い、黙っといて！じゃないとA生きてけないから」

何言ってるんだコイツ？

生きてけないって、たかがバイトだろ？なんでそこまで……

『……あのな、こいつが勉強教えてくれてんのは嫌々なんだよ。そのうえ黙ってろなんて虫が良すぎる。こいつの好きにさせりゃいい』

そ「……言わなきゃいいんだろ、バイトの日以外は俺と勉強。ただし、嫌だとかやりたくないとか言わないこと」

2人がやけに深刻そう。なんとなくだけど、言うのやめておこう

さ「俺にも教えて」

そ「めんどくさいの増やすな」

『ここどうやって解くんだ？』

そ「ん、そこは……」

俺は見せられた問題を見て凍り付いた

『どうした？お前でも分からないのか？』


そ「……これ小4の問題」

さ「まじで!?」

そ「はあ……」

俺はまた深い溜息を付く

そ「今日はやめよ。お前もう集中力切れてるだろ」

『来てもらったのに本当にすまん』

そ「いいって、別に」

ちゃんと謝れたり、お礼言えたりするのに、人のことそう簡単に傷つけんのかな？

俺はその点がずっと疑問だった

だって、それって結構すごいなんだぞ？


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【追記】
最高順位136位ありがとうございました！

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