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とうとう、鉢合わせをしてしまった。
「お前、黒川だったよな?久しぶりー!
髪型似合ってんね!センター分けだっけ?」
そのうち、木村くんは先程とは別人のようなテンションで話し掛けた。
それに対して、イザナくんは適当な相槌を打っている。
途中から喧嘩しないかな…と心配だったけれど、向こうの調子に合わせていれば大丈夫そう。
そう思った矢先、イザナくんが遂に口を開いた。
「悪いけど。…誰お前?」
「え?」
確かに彼は、自分が何者なのかは名乗り出ていない。
「薄情だなぁ。小学校の時同クラだった木村だよ」
「あぁ、なんかそういう奴居た気がする…。」
会話もひと段落したので、そろそろこの場を離れたい。
さっきまで私をいやらしい目で見ていたのに。そんな人と長い間居るのも何だか…
「あと、もう一つ聞きてぇ事があるんだけど」
「何?モテる秘訣?」
「いや___第一俺、今Aと付き合ってるし」
それを聞いた木村くんは、大きく両手を広げた。
わざとらしい反応、否、本当に驚いたのかもしれない。
「じゃあ、ここも二人で来て」
「そうだけど。あれ、やましい事でもあったのか?」
「いや、無い…
木村くんは顔を歪めている。
もしかして…私と木村くんのお話、全部聞いてたの?
「ビックリしたよな、俺みたいな年少上がりに女いるなんてさ。
_____Aにしようとしたこと、全部言え」
そう言いながら
きっとお礼参りした時だって、こんな表情を浮かべていたのだろう。安易に想像できた。
それに場所が場所なだけあって、近くの人達の目線もこっちへ向いている。
「えっと…その…ラブ…ほ…ホテルで…」
「ふーん。けど、コイツ軽くないから」
憔悴しきった木村くんに向かってそう言い放つと、いつもの優しい顔でこちらへ振り向く。
その変わりようが、ちょっとだけ怖い…。
「A、早く行こう」
『え…あ、うん』
トイレの前に倒れ込んだ木村くんと目が合ったけど、チッと舌打ちされた後睨まれてしまった。
差し出された手を握ると、“勝手に喋るな”と言わんばかりにきつく握り返される。
アトラクションに着く前に、私の指の骨が折れそうだよ…。
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ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マンさん» ありがとうございます!楽しみにして下さるなんて嬉しいです(*‘ω‘ *)他のお話も時間があるときに更新していこうと思ってますので、是非よろしくお願いします!続編も近々上げる予定ですので、これからも頑張って続けます…! (2022年9月3日 22時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン - すいません。見るの遅くなりました!凄く良かったです!ずっと続きを楽しみにしていたので見れてうれしいです!本当に大好きです!ほかのお話も見させていただきます!これからも頑張ってください! (2022年9月3日 14時) (レス) @page48 id: b028cbeeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!好きーーーーーーのお言葉嬉しいです(*ノωノ)あともう少しで続編作りますのでお楽しみに!頑張ります…! (2022年8月27日 11時) (レス) @page46 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - ちょっと、急ぎの用事があって時間がないので、感想を短くまとめます。 すきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! これからも頑張ってください! (2022年8月26日 23時) (レス) @page46 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!確かに依存してますね…。実はもうオチは決めているのですが、パート3を作らなければ完結できそうにありません(^-^;更新頑張ります! (2022年8月21日 14時) (レス) @page44 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年4月27日 21時