第2話 ページ2
第2話
カーテンの隙間から刺した朝日で目を覚ますと
おでこの辺りにくすぐったい感覚
…柔らかい銀色の…
悟の髪の毛が触れた感覚だ
五条「んん…A…おはよ」
A「おはよ」
五条「…おはようのちゅーして」
A「ん、」
五条「ふはー…幸せ」
甘えた声に素直に応じて軽くキスをすると
彼は頬を緩ませ私を抱き締めた
下着だけなんとか身につけて眠りについたから
寝起きの少し熱い体温が直に伝わってくる
…可愛い。愛しい。
時々思う
どうして私達は恋人じゃないんだろう
あと必要なのはその"肩書き"だけなのに
どうしてそれが、こんなに遠いんだろう
悟の言う幸せという言葉が
軽薄なものでなく本心から出る日は、
どうしていつまでも来ないんだろう
五条「…？どした？暗い顔してる」
A「…してないよ？
そもそも、ぎゅってしてるから顔見えてないじゃん」
五条「見なくても分かるのー」
A「なにそれ、笑
暗くなってないから大丈夫」
五条「そう？
じゃあさぁ…ねぇ…A…まだ5時だよ」
A「…もう」
五条「早起きは三文の徳って本当だね」
この為にわざとカーテンを少し開けておいたくせに
以前、朝からしたいとごねる悟を
仕事に間に合わなくなるからという理由でなだめてから
彼は寝る前にカーテンを少し開けておいて
朝日がのぼると同時に目が覚めるよう仕向けるようになった
目覚ましの時間を変えると
魂胆がバレて怒られるとか思ってるのだろう
そこまで分かってて
…それがまた可愛くて
結局私は自ら悟に身体を預ける
.
.
.
悟とは駅で別れ、電車に乗り
会社の最寄駅で降りた
何食わぬ顔でここまで通勤してきたけれど
頭の中は悟でいっぱい
ついさっきまで触れられていたあの体温に
次はいつ触れることができるのか…
会ったばかりで幸せなはずの時間は
すぐに不安が埋め尽くしてしまう
もう辞めたいと言いつつ
離れるのがなによりも怖い
A「はぁ」
小さくため息をついて、いつものパン屋に入ると
今日も"カスクートの人"がいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 761人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉月 - 五条さんの作品の中で一番好きです、、。最初五条の印象あまり良くなかったのに五条サイドになった瞬間切なすぎて素晴らしすぎました。思わず涙です。いろんな作品で色んな五条さんありますがこの物語の五条さんの性格好きすぎます。素敵な作品を有難う御座います！ (2022年4月11日 0時) (
レス) @page30 id: 8ba78d6b9a (このIDを非表示/違反報告)
とみこ(プロフ) - 紅葉さん» 最後まで読んでくださりありがとうございます（ ; ; ）コメントもとても嬉しいです（ ; ; ） (2021年6月15日 17時) (レス) id: 8851a66c99 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 最終話が七海さん目線なの泣いちゃう(´；Д；`) 完結おめでとうございます！ (2021年6月14日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
とみこ(プロフ) - hachiさん» いつも読んでくださりありがとうございます！そしてご指摘頂きありがとうございます（ ; ; ）ずっと暇だと思っていた上、間違った意味で覚えていました…めちゃくちゃお恥ずかしい…泣 大変助かります！本当ありがとうございます(´；ω；`) (2021年6月14日 15時) (レス) id: 8851a66c99 (このIDを非表示/違反報告)
hachi(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！第27話なんですが「とりつく島もない」の入力ミスでは？また、謝罪や頼みを聞き入れず冷たくあしらわれることを言うので、誤用かと思います。指摘不要でしたらすみません(＞＜;)創作頑張ってください！ (2021年6月14日 11時) (レス) id: 96eaeb6d2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とみこ | 作成日時：2021年1月22日 0時
