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16年目〜きみへの愛を〜 ページ32

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「………!!鶴丸さん!?」

「よっ、沙織さん」

なんだかんだ、午後1時の約束には間に合い、俺は沙織さんのいる病院に来ている。



沙織さんは、俺を見て静かに微笑んだ。






「よかった…よかったです。朝、光忠さんから『鶴さんがいない』なんて言われて

 もう凄い驚いちゃって………でも、どこにいたんですか?」



そう沙織さんに聞かれ俺は返答に困ったが、









「………ちょっとだけ、昔を思い出したから」



そう言った。









………………………………………………………………………………………

……………………………………………………………

……………………………………………









「………あ、鶴さん!!話は終わったの?」

「ああ。しっかり話してきたぜ、光坊」



沙織さんと話していた部屋を出ると、光坊と伽羅坊が待っていた。









沙織さんは、『あの子』のことについて話した。



15年前に死んでいたこと、



最初、俺があの子にぽえむを書いていることにひどく驚いたこと、





でも、



そのことを言うのがあまりにも辛かったこと。







______沙織さんはこう言った。





『Aに囚われすぎるのはよくありません。



 ですが、



 今、この世界でAのことを覚えているのはきっと、



 私と、Aの両親と、光忠さんに伽羅くん。そして、



 鶴丸さん。





 私たちが覚えている限りは、あの子はずっと生き続ける。







 ______あの子をずっと愛してくれて、ありがとう』









『私たちが覚えている限りは、あの子はずっと生き続ける』______








(………人間は、面白いことを考えるんだな)




きっと、刀だった頃にはまったく分からなかったこの感情も、今なら分かる。

死んでしまった人間が生き返ることなんてない。

だけど、



それでも誰かが『あいつはたしかにここにいた』と言えば、

そこにはその人間がいたのだ。





俺があの子に想いを伝える限り、あの子はきっと天国で聞いてくれているはずだ。


(主は優しかったからなあ)









______ふと、伽羅坊がこんなことを聞いてきた。







「………そう言えば、鶴丸は光忠のことを『光坊』なんて呼んでいたか?」

「え?………!!」





しまった!!







伽羅坊は、刀の頃の記憶がない。



(どう誤魔化そうか………)

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笑羽 - 梅歌さん» コメントありがとうございます!!ログインできました(*^_^*)更新頑張りますよ〜 (2020年5月8日 15時) (レス) id: 0e96abb413 (このIDを非表示/違反報告)
梅歌(プロフ) - こんにちはっ!これはあの曲ですな(名前出さないけど)!ログインできました?更新頑張ってください( ˙-˙ )! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 5c54cadbe6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笑羽 | 作成日時:2020年2月16日 18時

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