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14年目も〜前夜の不安〜 ページ23

---14年目---




今日も記憶は戻ってこない。





光忠や沙織さんは

「きっと戻ってくる」



なんて言うけど、






毎日、毎日、いつ記憶が戻ってくるのかなんて分からないし、



もしかしたら戻ってこないかもしれない。









(………きっと、こんなの、俺らしくないんだろうな)



分かってはいても、




幸せに溢れているはずの今が怖くて、不安で、



恐ろしくて。









一度でいいからあの子に会いたくて

返事がほしくて

一目見たくて

一言言いたくて






そんな気持ちでいっぱいだった。









………………………………………………………

…………………………………

………………





「………え?明日話がある?」

「うん。大事な話なんだ」

突然、光忠にそう告げられた。





「なんだなんだ突然改まって。話なら今ちゃちゃっとやっても………」

「駄目なんだ」

真剣な顔で、光忠は言った。





「今、軽く話せるような話じゃないんだよ。鶴さん」



黄色く光る目で見据えられた時、全身になんとも言えない感覚がしたのを覚えている。





「お願い………明日、あの病院に午後1時ぐらいに来てもらっていい?僕は、少し遅れそうだから」

「………あぁ。分かったぜ」

普段中々見ることのない光忠の気迫に押され、俺は頷くことしかできなかった。









………………………………………………………………………………

……………………………………………

………………


光忠side


「明日、話がある」

僕がそう言うと、鶴さんは驚いたような顔をした。









鶴さん、





きっと僕は、僕たちは、






君にとって辛い話をするだろう。






(………そもそも、分かるかどうかすらも微妙だね)






だけど、








僕たちは言わなきゃならない。



何なら、もっと早く言うべきだったかもしれない。









「………ごめんね」





鶴さんに聞こえないような声で、そっと言った。

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笑羽 - 梅歌さん» コメントありがとうございます!!ログインできました(*^_^*)更新頑張りますよ〜 (2020年5月8日 15時) (レス) id: 0e96abb413 (このIDを非表示/違反報告)
梅歌(プロフ) - こんにちはっ!これはあの曲ですな(名前出さないけど)!ログインできました?更新頑張ってください( ˙-˙ )! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 5c54cadbe6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笑羽 | 作成日時:2020年2月16日 18時

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