また違う味 2【Fuma.Ｋ】

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健人side

毎年のように
仕事で花火大会を見逃してる俺は、今日こそ花火が見たくて、Aを誘った。
まぁ俺の甘々おねだりに弱いAを、知っててお願いしたけど 笑



花火が打ち上がり
久しぶりの花火に興奮してた俺は、終盤まで花火に夢中だった

終盤に差し掛かり、花火の綺麗さに圧倒されてるAの顔が見たくて
揶揄い反面､横目でAの顔を見ると、悲しそうに花火を見る姿

悲しそうに花火を見上げる人を、初めて目の前にした



もし彼女だったら､「俺の事だけ見てろよ」なんて格好いいセリフも言えたけど、流石に後輩だから……
なんて悩んでたら花火が終わって
やっとの事で声をかけたらなら
Aは女の顔して涙を流した


仕事で悔しい思いしても、辛い顔1つみせないAが
涙を流してる所なんて初めてみたし




考えてるうちに
俺はAを抱きしめていた。
少しでも気持ちを軽くさせたくて



タクシーを捕まえ俺の家まで走らせる

やば、
マンションの前まで来て
女の子を、一人暮らしの男の家まで呼んでしまった重大さに気づく



だから、正直にテンパって家に呼んだことを話した。
まぁ男にとってテンパったとか恥ずかしくて堪らなかったけどね？笑




家に入るなり、
少し落ち着いてからAから話を聞こうと
思った俺は
ビールとおつまみを渡す


そして、少し話してるうちにテレビ横のミラーボールに、気になったAは立ち上がりミラーボールに近づいた



でも

俺は甘かった




テレビの後ろのに伏せた写真立てのことなんて忘れて、Aを写真立ての付近まで行かせてしまったから




でも、彼女から返ってきた言葉は俺の予想をはるかに超えた



驚いた表情で、菊池の名前を口にする
彼女の聞き方は菊池と親密な関係がわかる言葉が並べられていて、俺はつい、ツッコんでしまう
そしたら、また彼女から驚いた発言

「好きな人」

まさか菊池とは思ってなかった俺は
思わず笑ってしまう

それと同時に
俺は、Aの恋の悩みは菊池でよかったと謎に安心した



Aが菊池をかぁ〜いつからか？
なんて面白半分で思い出していると
前に言ってた
「私の好きな人には恋人がいたんです」
って言葉が反響してきた





思わず忘れてた過去
写真を伏せていた理由

色んなことが思い出す

少しでも思い出すだけで、悔しさと怒りで可笑しくなりそうだった







でも、Aならアイツを変えてやれる気がする。
あの時、俺らができなかった時とは違って……

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