また違う味 2【Fuma.Ｋ】

5 ページ5

「ケーキーのお礼」と言って健人さんは私のお昼代も出してくれた。


あ「ごちそうさまです」


健「いいのいいの。本当はこないだ、Aの話を聞こうと思ったのに、俺の話聞かせちゃったし 笑」

あ「え、そーだったんですか？」

健「うん。あーゆー感じの2人の空間ってあんま無いじゃん？まぁ、今日できたからオールオッケ！」

あ「色々、ありがとうございます 笑」
私が思っている以上、健人さんは私の事を、心配してくれているのかもしれない。
健人さんが上司で良かった

なんて、安心してお店を出た私。









でもね、人生そんな甘くないよ？









会社に向かう途中
私と健人さんは赤信号で足を止める




そして、私は






沢山の車が走る大通りを挟んで



向かいの歩道で歩く









彼を見つけた。









楽しそうに誰かと、笑いながら歩く彼。

その隣には









綺麗な女性









私には勝ってこない









悔しいけど、







「お似合い」
の言葉しか見つからなかった。





目の前で走る車と、遠くの歩道で歩く彼は
スローモーションに見えた。







私やっぱり、彼のことが忘れられてないんだ。
改めて、自分の愚かさを実感する。






だけど、忘れなきゃ








ううん、忘れる
って決めた









だって女の勘ってこーゆーところで当たるんだもん









隣にいる女性って







あなたの









恋人だよね？









青信号に変わる時
彼の姿はどこかに消えていった。

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す