* 夜久 衛輔 ページ3
.
『…あったかいね』
「…だな」
こたつでぬくぬく。温かいお茶を一口飲んで はあ、とため息をつけば ふ、と鼻で笑う衛輔。
「じいちゃんか」
『なんで性別変わってるの』
せめてばあちゃんでしょ。てかまだ20歳にもなってないんですけど。
向かいに座る衛輔の足を軽く蹴ると同時に ピンポーンと軽快にインターホンが鳴った。
『…衛輔行って』
「お前の方が玄関ちけえじゃん。やだよ」
『今出たら凍えてしんじゃう』
「俺もしぬわ」
こうしている間にもインターホンを鳴らしただれかさんは寒い中待っているわけで。
私たちは目配せして うん、と頷くとこたつから右手を出し 声高らかにその儀式を行う。
「『じゃーんけんぽん!!!!』」
『わーい私の勝ち衛輔おつかれ』
「くっそ覚えとけよ!」
まるで悪役のような捨て台詞を吐いて どたどたと玄関まで歩いていく衛輔。
衛輔はよくじゃんけんでパーを出すことを私は知っている。よって私がじゃんけんで負けてこたつを出ることはそうそうないのである。
「あーさっみ!一瞬で身体冷えたわ」
『おかえり』
手をさすりながら戻ってくる衛輔に早く入りな、とこたつ布団を持ち上げてあげる。
でも衛輔は
「あっためて」
と言って後ろからぎゅっとわたしを抱きしめる。
普段あまりないその行為に え、え、と驚いていると 耳元でふは、と楽しそうに笑う衛輔の声。
『な、なに』
「いや?かわいーなと思って」
『…ばかにしてるでしょ』
「してねーよ」
それから衛輔は 私の耳を隠していた髪の毛をかきあげて、はあ、と息を吹きかける。次に耳たぶを甘く噛まれ、ちゅ、と小恥ずかしいリップ音。
一気に耳が熱くなって びくびく、と肩が揺れた。
「___なあ、食ってもい?」
衛輔の色っぽい声に 私は静かに息を呑んだ。
.
( こたつの電源切らね?)
( それはいや )
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しもこ - ごめんなさい書くところ間違えました (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
しもこ - 可能なら角名くんお願いします!好きです (2020年5月22日 1時) (レス) id: 242f11c553 (このIDを非表示/違反報告)
ところねん - あああ北さんやばいようううう (2020年5月16日 2時) (レス) id: 60873799bf (このIDを非表示/違反報告)
。 - もし可能でしたら、照島くんお待ちしてます... (2020年2月16日 13時) (レス) id: 677789c7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ジンベエザメ - いやー青春だねぇ…甘酸っぱ リクエストで古森くんできますかね?井闥山の (2020年2月16日 13時) (レス) id: b58d786d51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月埜 | 作成日時:2019年10月18日 21時