あれこれ詰め込んでみるのも悪くない。 (ページ12)

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Part 2 s.w ページ12

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「Aちゃん。」

ぼんやりと昔のことを思い出していれば名前を呼ばれる。ああ、そうだった。忘れていた。

「大丈夫、？」

彼はきっとショックで喋れないと思っているのだろう。決してそんな事はない。だって、私は知っているんだから。知っていて、それでも翔太の彼女でいるのだから。

『大丈夫。ありがとう。』

その後も蓮くんは話し続けた。伝えるべきか悩んだ事も、傷付けると分かっている事も。でも、それでも伝えるべきだと思ったのだと。

『ありがとう。蓮くんは優しいね。』

そんなの嘘。言わないで欲しかった。言わないでいてくれたら私は気付かない振りでいつまでも翔太の事を好きだという気持ちだけで隣にいれたのに。

これからは浮気を知ってしまった彼女として過ごさないといけなくなる。それが嫌だった。私は、純粋に翔太の彼女でいたかった。

翔太が他の人と何をしていようと、私のところに戻って来てくれるのならそれで良いと思った。

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