疲れ ページ18
nk
仕事が終わって、それぞれ部屋に戻って休んで。
正午過ぎ、リビングでコーヒーを飲んでいると、ひかが話しかけてきた。
「ねぇ、大ちゃん見てない？」
「大ちゃん？見てないけど」
どうしたの？と聞くと、洗濯物が干してないから、と返ってくる。
少し前に、大ちゃんは自分から、なにか手伝いたいと話をしてきたらしい。
そこで光くんは、洗濯物を干したり片付けたりするのを大ちゃんにお願いしていた。
最初は2人でやってたけど、最近はすっかり慣れたのか、大ちゃん1人でこなしてしまっていて。
それなのに今日は、洗濯物が洗濯機に放置されたままだったらしい。
できなかったからといって咎める光くんではないけど、どうしたんだろ、と不安そう。
「あ、じゃあ俺部屋覗いてくるよ」
これから昼ごはんの用意に忙しそうな光くんに一言そう言うと、立ち上がって大ちゃんの部屋へ向かった。
「大ちゃーん？起きてる？」
扉の外からそう声をかける。
基本眠りが浅い大ちゃんだから、いつもは声をかければすぐ返事が聞こえてくる。
でも今日は、声どころか音1つしなくて。
おかしいな、と感じ、入るよー？と声をかけて扉を開けた。
すると、
「っ大ちゃん！！」
そこには、床に倒れて、肩で息をしている大ちゃんがいた。
思わず大きな声を出して駆け寄る。
「大ちゃん！大ちゃん！！」
触れた体は、異常なくらい熱かった。
声を掛けても、体を少し起こしても、大ちゃんからは反応がない。
「どうしたの？」
俺の焦った大きな声に、ぞろぞろとみんなが来たようだった。
「大ちゃんが！」
そう振り向くと、たまたま手前に立っていたちぃがどいて！と俺を押しのけ、大貴の様子を見始めた。
「これ、いつから？」
そう聞かれるけど、俺も数分前に見つけたばかり。
正直にそう答えると、ちぃはそう、と言って、大ちゃんをそっと手の中から下ろした。
そこからはあっという間だった。
「救急セットとってくる。
ゆうてぃは大貴をベッドに寝かせてあげて。
伊野尾ちゃんはタオルと飲みものとってきて、雄也はひかと宏太に知らせて」
的確なちぃの指示に従って、みんなはバタバタと動きだして。
気づいたら、大ちゃんは看病の道具で囲まれていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まり | 作成日時：2022年10月30日 15時
