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山田side
ーーーー過去編続きーーーー
そんな日々は、約5年間続いた。
何をやっても父さんは俺を怒鳴るし殴る。
認められようと必死に頑張っても、父さんにそれが伝わることはなかった。
……そして、この最悪な日々に終止符を打ったのもまた、父さんだった。
その日の父さんはひどく機嫌が悪かった。
取り引き相手との交渉がうまく行かなかったらしく、珍しく兄や姉にも当たり散らしていた。
……もちろん、俺にも。
そしてこの日、俺にも不運なことが重なっていた。
それは、数日前に受けたテストの結果が返ってきたことだった。
テストを受けたその日は体調を崩していた。
めったに体調を崩さない俺の体は、悲鳴を上げていた。
でも友達なんかいない。
だから俺は、誰に頼ることもなくそのままテストを受けざるをえなかった。
……結果は、惨敗だった。
見たことも無いひどい点数を取った。
でも誤魔化すことなんてできずに、いつもと同じように、返ってきたテストをリビングの机の上に広げておいた。
「おい涼介!!!出てこい!!!」
予想通りというか、それ以上に怒った父さんの声が聞こえた。
ここで出ていかなければもっと酷い目に遭うと分かっていた俺は、素直に父さんの前に出た。
……これが間違いだったのかもしれない。
「なんだこの点数は!?!?
どういうつもりをしてるんだ!!!!」
いつもより怒った声。
何も言い返せない俺は、黙って俯いていた。
…すると、
「……出来損ないは、うちのレベルを下げるだけだ」
父さんは珍しく小さな声でそう呟いた。
と思ったその瞬間、
「え、」
父さんに襟首を掴まれた。
「こい」
「父さん!離して!!」
どんなに抵抗しても体のでかい父さんに勝てるはずがなかった。
そして、
「もう帰ってくるな!!お前はうちにはいらない!!!」
「っ!父さん!!」
俺は家から追い出された。
「父さんごめんなさい!!!開けてください!!」
真冬で、珍しく雪の積もった日だった。
薄い格好のまま家の敷地の外に出された俺は、もう家の中に入ることは無かった。
それから、俺は1人真冬の中をさまよった。
何日経ったかなんて覚えてない。
暖かい服や場所もなければ食べ物もなくて。
力尽きた俺は、たまたま見つけた公園の中で、静かに、眠りについた……。
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作者名:まり | 作成日時:2019年1月15日 17時