JUMPな日常４ (ページ32)

今日:33 hit、昨日:42 hit、合計:94,602 hit

★9-9 ページ32

八乙女side

大ちゃん、山田たちがそれぞれ基地に戻ってきた。
…大ちゃんはターゲットと接触した時に、首を絞められたらしく、首には赤黒いあざが残っていた。
一方山田は、ずっと俯いて黙っている。
怪我がある訳ではないみたいだけど、明らかにいつもと雰囲気が違う。

薮「よし、報告会やるよ」

そんな中、薮の呼び掛けで報告会が始まった。

薮「＿＿＿という訳で、俺たちが得た情報はこれだけ」

高「山田は何も話してないの？」

薮「…今回は、話せなかった。でも手に入れたい情報は大体手に入れたし問題ないよ」

山田、お父さんと話せなかったんだ…。
まあ確かにひどいトラウマもあるみたいだし、しょうがないか…。

伊「…甘いでしょ」

中「伊野尾ちゃん？」

伊「大ちゃんは、危険な思いしてまでターゲットと接触した。
なのに山田は、話すことすらできずに帰ってきていい訳？
っていうかそもそも、今回は息子が親に接触することに意味があったんでしょ？
山田がターゲットに接触することで得られる情報が重要なのに。
いくらなんでも甘すぎ」

高「伊野尾くん、言い過ぎだよ」

薮「今回は、ターゲットに接触する前にちゃんと話を聞かなかった俺たちにも非がある。
だから俺が独断で作戦を変更した。
なにか問題ある？」

伊「話したがらなかったのは山田の方でしょ？
その上で作戦立ててるんだから、言い訳にはならないと思うけど」

伊野尾ちゃんは、普段は適当なように見えて実はJUMP1の真面目だ。
だから、任務を上手く進められないような障害に対しては厳しい。
…まぁそれにしても厳しすぎる気もするけど。

伊「なんとか言いなよ、山田」

山「っ……」

有「やめなよ伊野尾ちゃん」

…意外。今回大ちゃんは口を挟まないと思ったのに。

伊「…大ちゃんはムカつかないの？」

伊野尾ちゃんもそう思ったのか、大ちゃんに反論した。

有「トラウマなんて簡単に忘れられることじゃない。
俺だって今回接触して、任務の内容を忘れるくらい頭が真っ白になったよ。
情報はたまたま得られただけで」

伊「でも」

有「…伊野尾ちゃんにだって、知られたくない過去やトラウマくらいあるでしょ？」

伊「っ!!!」

有「…もしこれ以上山田を責めるなら、今度は俺が伊野尾ちゃんを責めるけど」

大ちゃん……。

薮「…2人とも、そこまで。
今回の反省は次に活かせばいい。
まだ任務は終わってないからね」

年下組も困ってるし、この先、大丈夫かな…。