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岡本side




岡「んっ……」

伊「薮、圭人が起きたよ」


…ここは、基地?
……そっか、俺、捕まったのか。



薮「圭人」

岡「……」

薮「お前は今、俺たちの敵だよ」

岡「…敵を基地に入れるの?」

薮「なんで入れたと思う?」

岡「……」

薮「全部話せ」

岡「っ…」

薮「甘いことを言うつもりは無いよ。でも、お前がなんの理由もなくあんな行動をとるとは思えない」

岡「俺は話さないよ」

薮「どうして?」

岡「話してどうなるの?」


…話したところで、俺はもう処分されるだけ。
だったら、わざわざ話す必要がない。


薮「……そう、それならこっちも遠慮しないよ。伊野尾」

伊「はいはい」


……?


伊「これ見て」

岡「っ……!!」


ガヤ…!!
なんで伊野尾ちゃんのパソコンに…!?


伊「圭人を基地に連れてきてから、光と裕翔がガヤに会いに行ったの。
外からパソコンでガヤを見つけたからね。
今、2人が話を聞いてる。光?」

八[(パソコン越し)はーい。
圭人、ガヤが全部を話してくれたよ?]


なっ…!?


岡「ガヤ!!どうして!!」

藤[圭人、俺はもう、圭人が苦しむのを見たくないよ]

岡「なに、言って……」

藤[圭人はもう十分苦しんだ。だからもう、皆に助けてもらいなよ]

岡「俺はこのために今まで生きてきたんだよ!?なのになんでそんなこと!!」

伊「圭人は、縛られてるんじゃない?」


縛られてる…?


伊「そのために生きてるって自分に言い聞かせて、そのことだけにずっと縛られてる。だからそんなに必死なんでしょ?」

岡「俺は…!!」

藤[もういいよ、圭人。圭人の親父さんだって、圭人に幸せになってほしかったんだよ]

岡「今さら何言ってるの…!?そもそも、ここまで来たら引き返せるわけない!!」

薮「引き返さなくてもいい」


え……?


薮「隠してたことは許されることじゃない。でも、圭人が今までやってきたことは、必ずこの任務に役に立つ。そうでしょ?」

岡「……!!」

薮「集めた知識も、培った戦闘力も、何も無駄じゃない。それをこの任務で、さらにその先まで活かしていけばいい、それだけ。俺達もそれを求めてる」

伊「圭人、今ならまだ間に合うよ。戻っておいでよ」


…でも……

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作者名:まり | 作成日時:2019年1月15日 17時

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