僕のお嬢様

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佑「Aちゃんお腹空いてない？ケーキ食べない？僕ね〜Aちゃんに食べて欲しいのあるんだ！あっでも食べたいのあったらなんでも言って？僕買うからさ！」


「………」


佑「…な…何もないかな？……あ、い、一発芸しよっか！？僕Aちゃんのためなら一肌脱いじゃうよ！」


拓「本当に脱がなくていいんだよ！！」




突然ワイシャツ脱ぎ捨て上半身裸になった福田に思わずツッコミを入れた。でも、お嬢様って筋肉好きだしましてや福田の筋肉だし…


そう思ったけどお嬢様は全く見ていない。福田が目の前にいるのに何も反応がない時点で、もうおかしいんだけど…。




佑「………」

海「…若。着ましょう」





福田は物凄く落ち込んでそのまま海に抱き着いた。…こっち側もメンタルやられてくる事にみんな薄々だけど気付いてきた……



関西人の意地と言ってやった関西人二人による本気の漫才、太陽による某歌手のモノマネ、海の教育番組の青い猫のモノマネ、自分だってプライドも何もかも捨ててお笑い芸人のモノマネオンパレードをやった。……けど何をやってもお嬢様は笑わなかった。





太「……どうしたらええんやろ」

稜「…なんか泣きそう」




みんなもすっかり諦めモード。いつものお嬢様なら「クソつまんない」って言うか、思いっ切り笑うか。いつものお嬢様の姿を思い浮かべると、じわじわと涙が浮かんでくる。




祐「……う〜…お嬢…」

拓「祐基？」

祐「いつものお嬢に戻ってください！そりゃこんな時だけど、こんな時だからこそお嬢には笑ってて欲しいんです！」

「………」

祐「僕！お嬢が取っておいたケーキ食べちゃったんです！いつもみたいに怒って蹴り飛ばして下さい！いつものお嬢じゃないと僕らも辛いんです！！」

海「蹴り飛ばして下さいはちょっと違うなあ…」




先に泣いたのは祐基だった。祐基はお嬢様に抱き着いて泣いた。ふと、お嬢様が下を向く。その肩は震えていて、怒ってるのか、笑ってるのか。




拓「……お嬢様、」




お嬢様も、泣いていたんだ。




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