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14P F ページ14

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藤「……ひろ…」



朝、起きても誰もいない

北山が大倉くん家に泊まって数週間
家からどんどん北山の物が減っていく

きっと俺と授業が被っていない間に
取りに帰ってきてるんだろう



藤「自業自得だよな…」



元々一人暮らしだったみたいに
部屋には二個セットだったものが減っていき

それを見つけるたび、胸が苦しくなる

独占欲を剥き出しにして
無理やり、キスして

キス、させて……



藤「……汚い…」



恋愛なんて関係、要らなかった。

親友、幼馴染、
そんな関係のやつ北山しかいないのに。

汚れてる俺は隠さなきゃいけないのに…



藤「大丈夫…もう、しないから…」



北山はこのままならこの家から出て行くだろう
けどその方が良いな

大学ではちゃんと親友でいれるから
そこ以外で会わなければ、上手く隠せる。

北山きっとそれを望でくれてるから
大学では今まで通り接してくれてるんだ



ピンポーン


藤「……ひろ?」



突然鳴ったインターホン
北山なら押すはずないのに一瞬期待して恥ずかしい

可笑しくて1人笑ってしまった



ピンポーン


藤「はーい」



また鳴ったから玄関に向かえば
聞き慣れた声がした



横「太輔ー」

藤「…え、わた?おはよう?」



はっきり渉だとわかってドアを開けたら
渉は笑顔で何かが入った袋を俺に差し出した



横「おはよう」

藤「え、これ何?」

横「弁当。最近ちゃんと食ってないだろ」



正直ちょっとびっくりした

何でそれバレてんの?



藤「…ふふ」



俺は気持ちとか顔に出る方じゃない。
でもそれでも分かるくらい

渉は俺を知っててくれてるんだな…



藤「…入って。一緒に食べよ」

横「ん」



大丈夫、多分きっと
今まで通り何も変わらない

大学から同居なんかして近付き過ぎただけで
関係は高校までと変わってない。

きっと。



横「……太輔、いいの?」

藤「何が…?」



部屋に入ると前に来た時より明らかに
物が減ったのを確認して

悲しそうに眉毛を下げた渉

なんでそんな顔…



横「みっちゃんのこと」

藤「……?」

横「まさか…聞いてない?」



変わって欲しくないものが
知らない間に、戻らなくなっていたら

どうしたらいいんだろう。



横「来学期、休学して、留学するって」



自分は変わることが出来なかったら

どうしたらいいんだろう。



横「あと今、大倉くんと付き合ってるって…」



俺は多分、ここから君を

見てることしか出来ないだろう。

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設定タグ:藤北 , kis-my-ft2 , 幼馴染   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2017年11月4日 22時

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