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北「ただいま〜、映画借りて来たー」
映画の日
それは俺が藤ヶ谷といたくて
こじ付けで作ったルール
藤「おかえり、先風呂入っといて」
北「んー」
でも藤ヶ谷はこんなルールにも
付き合ってくれる。
北「……落ち着く」
ヒノキの香りの入浴剤が入っているのか
優しい匂いがする
北「うし、ごはん！」
風呂から上がると今度は
肉とバンズのいい匂い
北「うわ！美味そう！」
藤「こら、髪乾かせよ」
北「む、…はーい」
並べられる綺麗なごはん
飛びつこうと席に座ると藤ヶ谷に怒られたから
ちゃちゃっと髪を乾かす
北「今日はティム・バートン監督のバットマン！」
藤「ダークナイトしか見てない」
北「ジョーカー役の人が…」
藤「ふふ」
語りたくてドライヤーを止めて振り返ると
藤ヶ谷は俺を見て笑っていた
北「……なんだよ？」
藤「いや」
上目遣いで口元を隠し肩で笑う
からかわれているのに
藤ヶ谷の目はすごく優しい目をしていたから
恥ずかしいけど嫌じゃない
藤「ほんと映画好きだよね」
北「？」
藤「だって焼肉も断るし」
北「…まぁね」
藤ヶ谷といたいからとか、
本当のことは言わない。
北「もう食べてい？」
藤「ん、召し上がれ」
目を細めて笑うのも好き
北「いただきます」
藤ヶ谷は俺のことなら何でも分かるとよく言うけど
この気持ちだけは、きっと知らない
北「…美味い」
藤「でしょ？」
伝えてはいけないこんな気持ちはずっと隠して
幼馴染みとして側にいる俺はズルいのかな
藤「あ！おいっ」
北「へ？…ああ！」
藤「ばか…」
他のこと考えて、ボケっと予告を見ていたら
トマトをTシャツにこぼした
北「ま、パジャマだし」
藤「とりあえず落とすからこっち向いて」
濡れたのと乾いたティッシュを
持ってきてくれた藤ヶ谷は
至近距離で俺の服の下に手を入れた
思わず赤くなってしまった顔
下を向く藤ヶ谷には見えてない
藤「これで洗濯した…ら……」
北「？//」
藤「顔あか」
至近距離で顔、あげるなよ……
北「別に…20歳過ぎたのにカッコ悪いなぁって
思っただけ」
藤「そう？」
たったそれだけでうるさくなる心臓
藤「そこが可愛いと思うけど」
北「嬉しくねー！////」
藤「ふはは」
きっと不良品だ
藤「ほら、洗濯するから着替えてきて」
北「ん」
泣きたくなるくらい
苦しくなるなんて
北「……くそ//」
不良品でしかない
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作者名：あ
| 作成日時：2017年11月4日 22時
