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聴き慣れた音がした 。
聴き慣れた声がした 。
「 Aー!開けてー!」
同僚のレイちゃんが私を呼んで
何度もインターホンを鳴らしている 。
『 開けなきゃ … 』
玄関へ向かおうとしたけれど
優斗が私の頬に手を添えるから
「 ねえ!居るんでしょ!」
顔を向けることも動くことも出来なかった 。
「 返事して!」
返事がしたいのに声も出ない 。
「 最近のA … おかしいよ 」
おかしい?
「 もう半年が経つんだよ!みんな心配してる!」
そんなのわかってる
「 そろそろ彼のことは忘れた方がいい!」
わかってるけどそれが出来ないの ……
「 居るのはわかってるから早く出てきて!」
" 叱られることないじゃん "
頬に手を滑らせながら
もう片方の手で私を抱き寄せる彼 。
「 本当に返事をして!」
" こっちにおいで "
「 A!お願い!開けて!」
" 俺が君を甘やかすよ "
何となく 、最後のチャンスなのだろう 。
レイちゃんが私のことを想い 、
ここまで来てくれたんだなって
「 A!」
ドンドンと叩かれるドア 。
何度も鳴らされるインターホン 。
ドアの向こうから聴こえるレイちゃんの声 。
それすらも何故か心地良くて目を瞑った 。
" ほら 、目を閉じないで "
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にこ - みるるん!さんが伝えたかったことと私が感じたことは違うかもしれませんが、私はハッピーエンドだと思ってます。こんなに愛せる人と一緒にいれるのは幸せだと思うし、生きることだけがその人にとって幸せとは限らないので…(気分を害されたらすみません…!) (2020年3月4日 5時) (レス) id: 03a051c83b (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりー - 短編だけれどお話がまとまってて読みやすいし最後になるにつれて鳥肌が立ちました。作者さん天才、、、、、 (2020年3月1日 23時) (レス) id: fc96554ac3 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 物語読んで、メッチャ体がしびれた自分が溶け込んでた。 (2020年3月1日 23時) (レス) id: 185d75fc93 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小5 - 私も最近辛いことがあったので泣けてきちゃいました。あと優斗くん大好きなので余計泣けてきました。 (2020年2月23日 15時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2020年2月23日 8時