EP 111 ページ13
ーー
私は物心ついた頃に母を亡くし、父を亡くした。
とても優しかった母と父。
しかし顔だけがぼやけていて思い出せずにいた。
「お前さえ消えればッ…この国は私のものだ」
母が亡くなり、父が亡くなり…一人になった私。
そんな私をある男が襲ってきた。
栗色の髪に青い目の男…
今思えば、あればオベロンだったんだ。
キラリと光る刃。
その時、赤い何かがオベロンを殴った。
私を抱き上げ優しく笑う一人の男性。
…麦わら帽子を被った赤髪の男
あの頃の私は赤は嫌いだった。
母が亡くなった時も赤い血を吐き、父が亡くなった時も体には赤い斑点があった。
その時の私は凄く泣きじゃくって、大人の男相手に必死に抵抗した。
でもその男の人は
「怖がる必要はない。君を助けに来た」
と優しい声で言った。
私はいつのまにか泣き止んでいた。
「いい子だ」
ニカッと笑う男。
「お頭」と呼ばれる男は私を抱きかかえたまま、大きな船へと乗った。
島を出る一隻の船。
私はその時初めて島全体を見た。
4つの四季に分かれた島…
そして風船に囲まれている…
だが島を出ると私の意識はスーっとなくなり、ティンク島での生活の記憶・父と母の亡くなった時の記憶だけが消えていた。
恐らく幼い妖精にとって人間界に行くのは早すぎたのだろう。
記憶が薄れた原因はそれだった。
それか私にとって忘れたい過去だったのかもしれない。
しかし奇跡的に母と父との思い出だけが残っている状態となった。
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koi(プロフ) - 朱夏さん» ありがとうございます(o^^o) (2019年3月14日 22時) (
レス) id: 9a2a00ca5d (このIDを非表示/違反報告)
朱夏 - おもしろいです！目が離せない！更新頑張ってください！ (2019年3月14日 17時) (レス) id: aef72d6a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：koi | 作成日時：2019年3月6日 20時
