赤い星 妖怪学園Y 〜N遭〜

すれ違い ページ27

ジンペイ side


無茶するなって言ったのに。

Aは命がけでフブキを助けた。

あの時もう少し遅かったら、フブキももちろん、Aも怪我どころではなかったと思う。

今回は無傷だったけど、やっぱり怖かった。

見ててひやひやしたし、鳥肌が立った。

だから、Aが近寄ってきた時、思わず怒鳴ってしまった。

「お前、無茶すんなって言っただろ！！
もし断絶丸に当たってたらただじゃ済まなかったぞ！！！」

『え、ちょっと、何キレて…』

ほら、またそうやって笑って乗り切ろうとする。

もっと、自分を、大切にしてほしい。

フブキを助けたのはすげえと思うけど、捨て身はやめて欲しかった。





もしあの刀でAを怪我させたら、俺は一生刀を持てない。





心の中で言ったつもりだったけど、口に出ていたらしく、『……ごめん』と返ってきた。

慌てて言葉を付け足すが、Aはもう、俺のことを見てはいなかった。

虚ろな目をしてぎこちなく笑っている。






そうじゃない。






俺はAが心配だった。









そう言いたかっただけなのに。

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