Can't Say Goodbye【1】

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『…どういうこと？なんのオーディション？』


北｢歌手に、なりたいんだ｣


『歌手……？』





ほくちゃんは、歌手になるためのオーディションが東京で開催されて、それに受かれば本格的に育ててもらえる、と言う。


ほくちゃんが、歌うことが好きだっていうのは知ってた。カラオケに遊びに行った時もとても上手に歌ってた。合唱コンクールでソロに抜擢されたこともあった。




北｢だから、○△高校は、



『本気で言ってる？』



北｢え、｣



『確かにほくちゃんは歌上手いよ？けどプロ並じゃないじゃん』



北｢…んなこと分かってる、｣



『分かってない！！ほくちゃんはバスケ得意じゃん、バスケしてる時のほくちゃん、私好きだよ？ずっとここでバスケしてればいいんじゃん。歌で生きていけるほど世の中甘くないことくらい私でも分かる！』





違う




『ただちょっと歌が上手いだけで、みんなにちやほやされただけで歌手になるだなんて、』





違う、こんなこと、言いたいんじゃない


幼なじみだから、応援しなきゃ









『ほくちゃんには…無理だよ……』







自分の隣にいて欲しくて、ただそれだけの気持ちで言ってしまった




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