Can't Say Goodbye【1】

17 ページ18

·
千紗side



って流れで、樹くんとLINE交換したんだった


千紗【そうだよ！緊張して死にそうです笑】


と返事をする

すると、すぐに既読がついた



樹【俺今スタジオ向かってます】
    【緊張するの早くないですか笑】


千紗【早いね！】
        【だって初めての仕事だから…笑】



早く準備しないといけないのに、樹くんすぐに既読つくから返事を待っちゃう
 

樹【遅刻魔の世話しないといけないんですよ】



そのメッセージと一緒に送られてきた一枚の写真



『これ……浦川、くん？笑』



それは、口を開けて豪快に爆睡する浦川翔平くんの寝顔写真だった

昨日の夜、死ぬ気で名前と顔覚えててよかった…


にしても、この顔はヤバイ、ツボ入った…！笑笑




『わっ…！！』


1人で笑いを堪えていると、いきなり電話がかかってきた



『は、はいっ！』


樹［今、大丈夫ですか］



朝だからか少しかすれて低い声にドキッとした自分を、わたしは急いで引っ込めた



『う、うん！浦川くんの顔にツボってたところ笑』


樹［やばいっすよね笑 こいつ、すぐ寝坊するから朝から仕事の日は起こしに行けって陣さんに言われてて］



陣さん……あの、関西弁のリーダーの方だ



『あぁ、それで早いんだね。いやほんとお腹痛いよ…笑 』



樹［……もう、大丈夫そうですね］


『え？浦川くんが？』



樹［いや、千紗さん ］



『…わたし？』


樹［緊張してるって言ってたから。少しはほぐれたみたいで良かった］



……ほんとだ、さっきまでの不安がどこかに飛んでいってた


わたしの緊張ほぐすために、わざわざ送ってくれたんだ



樹［こんな奴らばっかだから、そんな気張らなくて大丈夫ですよ］


『あ、ありがとう、』


樹［…どういたしまして。じゃあ、あとで］


『うん、！』



電話が切れてからもしばらくドキドキが止まらない理由を、この時のわたしは知りもしなかった



·

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す