Can't Say Goodbye【1】

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千紗side



ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ  ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ


けたたましく耳元で鳴るアラームを止めて、メガネをかけて日付を確認する


『…ついに今日、なんだよね』



今日はついに初めてRAMPAGEさんのメイクをさせてもらう日


正直、ド緊張してる

恵美子さんに安心して休んでもらえるよう頑張ろうって心に決めてたけど、失敗したらどうしよう、足でまといになったらどうしよう、RAMPAGEさんに嫌われちゃったらどうしようって不安な気持ちしかない

いつもネガティブになっちゃうの、嫌だなぁ……




モヤモヤしながらスマホを開けて通知を確認すると、1件のLINEが目に入った



樹【おはようございます。今日ですよね、千紗さん来るの】




そうだ、昨日……



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樹｢あ、LINE交換しませんか｣


『え？』


樹｢…また道迷ったりしたら大変だし。嫌ですか？｣


『嫌なんかじゃ、！ …けど、そんな簡単に芸能人の方と連絡先交換していいのかなって、』



樹｢……じゃあ、芸能人じゃなくて友達だと思ってください｣



友達、って…… わたしが！？




樹｢今、携帯持ってますよね？｣


『うん…あっ』




ポケットから携帯を取り出した瞬間、樹くんに奪われた



そして反対の手で、私の手を優しく握った





『あ、あの、樹く……』






樹｢…開いた｣



…………あ、指紋認証ね


ドッキドキした〜…都会の男の人ってこんなに距離近いの？




樹｢はい、これ俺のLINEです｣



そう言って渡された携帯には、”樹”と書いてあるトーク画面が開かれていた


『あ、ありがと


ﾋﾟｺﾝｯ


え？』



一瞬画面から目を離したスキに何かが送られてきた


見ると…



｢｢よろしくね！｣｣の吹き出しの下で猫がピースしてるスタンプだった



『ふふっ笑 猫、好きなの？笑』


樹｢好きですけど、なんでそんな笑ってるんですか｣


『いや、樹くんってこんな可愛いスタンプ使うんだ、って笑』


樹｢…馬鹿にしてますね？｣


『いやしてないしてない！！ 』

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