Can't Say Goodbye【1】

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樹side



樹｢小野さんが、北人さんの心配してましたよ｣



俺はダンスルームに入って、確かに顔色が悪い北人さんに声をかけた。まだ集合時間よりだいぶ早くて、他に人は誰もいない



北人｢あぁ…｣


樹｢大丈夫ですか？今日は帰った方が良いんじゃ｣


北人｢いや、休んで迷惑かけたくない｣



北人さんは、1度自分で決めたことは絶対曲げない

多分俺が言っても無駄だな


諦めて北人さんの隣に座る




樹｢…どうなんすか、小野さんと｣


北人｢どう、って？｣


樹｢久しぶりの再会だったんですよね？昨日はお互い知らないフリしてたみたいだけど｣



きっとメンバーが騒ぐのを防ぐために、あの場では他人を装ったんだろう

そう思ってたから、北人さんの口から放たれた言葉はあまりにも衝撃だった



北人｢千紗は…俺のこと覚えてなかった｣


樹｢は？｣


北人｢知らないフリしたんじゃなくて、忘れてるんだよ｣



……そんなはずない。だって幼なじみだろ？

それに、今まで幼なじみさんとの話聞いてて、北人さんには言ってないけど絶対この人たち両想いじゃん、って思ってた

好きだった人のこと忘れるなんてありえない




樹｢昔話とか、2人の思い出とか話したら分かってくれますよ｣


北人｢…もう良いよ｣


樹｢良くないですって、ずっと好きだったんでしょ｣






北｢俺のこと忘れてるやつのことなんか、もう好きじゃない！！｣






北人さんは、声を荒らげて言った



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