▼夢か、現実か ページ32
病院の入口や駐車場を出入りする人を
廊下の突き当たりからいつも通り眺めてた。
最初は何も考えずに無心だったけど…
"風、気持ちいいだろうな"
"私も自由に出入りしてみたい"
そんな風に思い始めて…
"風を感じたいなら外に行けばいい"
"ただ歩いて行けば、出入りなんて簡単だよ"
この時は不思議と自分じゃないみたいだった。
なんて言うか…他の誰かに囁かれてる感じ。
だからきっと、どこかで足が止まる。
駄目って事も分かっていたから。
"行っちゃえ、すぐ戻って来ればいいんだから"
そう思う自分と、
"みんなが心配するから駄目だよ"
そう思う自分。
パジャマから、外に出ても違和感のないルームワンピースに着替えて
1階のロビーまで行くのは簡単だった。
コンビニもカフェも通り過ぎて、玄関付近…
そろそろ足が止まる…行っちゃダメって分かってるんだもん…
…あれ…なんで？
すんなり外に出てきちゃった。
誰にも止められずに、外の風を感じてる。
周りの人と同じように。
どうしてだろ…知らない世界に来た感覚…
もう、戻りたくない。
足がどんどん前に出て、あっという間に病院の敷地外。
どこに向かう訳でもなくて
ただひたすら、景色を眺めながら歩いた。
A「えっ…広っ…」
こんな所に公園あったんだ…
私はそんなことも知らない。
公園の芝生や遊具で遊んでる親子、散歩するお年寄り。
ベンチに座ってその人たちを眺めてると
その中に自分がいることが、また不思議に感じる。
私はどんな風に見えてるのかな…
まさか、病院から抜け出して来てる人には見えないよね。
病気だとか関係なく、普通の高校生に見えるかな。
そう考えると、少し嬉しくなった。
それから時間は経って、気温の下がる夕暮れ。
一人、二人と公園から人が去っていって
あの人たちには帰る場所があるんだ、そう思った。
A「…知らない…もう…どうにでもなっちゃえ…」
公園のベンチで、ぽつんと一人ぼっち。
夢でも見ていたみたいに…
「Aちゃん!!」
誰かに呼ばれて、完全に現実へ戻された…
顔を上げた先には走って来るホシくんの姿があった。
咄嗟に立ち上がって逃げようとしたけど、それより先に腕を掴まれて、
ﾎｼ「病院抜け出して何やってんの!?」
A「…っ、はなして!!」
ﾎｼ「離さない!!」
こんなに怒ってるホシくんは初めてだった。
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ORI(プロフ) - zyagaimoさん» こちらこそ、いつも読んでいただきありがとうございます( ¨̮ )温かいコメントのおかげで頑張れます。本日移行しましたので、引き続きよろしくお願いします(*ˊᵕˋ* ) (2022年11月29日 20時) (
レス) id: bc8df6ecae (このIDを非表示/違反報告)
zyagaimo(プロフ) - この作品読んでたら涙が出てきます。ほんとに書いてくれてありがとうございますゆっくりで良いですのでこれからも楽しみにしてます！一日の終わりの癒しです♡ ͛ (2022年11月28日 23時) (レス) @page49 id: 997977e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
ORI(プロフ) - ruiさん» リクエストありがとうございます( ¨̮ )リストには追加しておきますがお待たせしてしまうかもしれません。ご了承ください。気長にお待ち頂けると嬉しいです(*ˊᵕˋ* ) (2022年11月24日 21時) (レス) id: bc8df6ecae (このIDを非表示/違反報告)
ORI(プロフ) - ジュンぴ推しさん» お気遣い頂きありがとうございます( ¨̮ )ちょっと予定よりバタバタしてしまって長い間放置しておりました。また再開しますので、よろしくお願いします！温かいお言葉感謝いたします❁¨̮ (2022年11月24日 21時) (レス) id: bc8df6ecae (このIDを非表示/違反報告)
ORI(プロフ) - 赤福食べたいさん» お返事遅くなり申し訳ありません!!ハートありがとうございます♡これからもどんどんお願い致します(笑) (2022年11月24日 21時) (レス) @page47 id: bc8df6ecae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ORI
| 作成日時：2022年10月2日 17時
