海 [彼氏] ページ8
「すごーいっ!」
「海とかいつぶりやろ」
目の前には晴れ晴れとした青い空、そして綺麗な海
家族で来ている人や、カップルも。
壱馬のオフが久しぶりに被って、いつもはインドアでゲームばっかりしてる壱馬を海に連れ出した
「入ろ!」
「てか、A泳げんの?笑」
「泳げない!でも浮き輪持ってきたから大丈夫!」
泳がれへんかい、とツッコむ壱馬を放ってTシャツを脱ぎ水着になる
「ちょ、待って。あかんてそれは」
「え、なにが?」
壱馬は私の腕を掴んで、海に走ろうとする私を引き止める
きょろきょろと周りを見渡しては、ほらあかんやん、うわあいつも見てる、と1人呟いている
「ねぇ、海入りたいんだけど、、なんでダメなの?」
「ええかA、絶対俺から離れんなよ」
「もう、泳げないからって心配しすぎ!笑」
そういう意味ちゃうねん、、とまた1人呟く壱馬
「きゃー!冷たい!気持ちいい!」
「うぉ!ほんまや気持ちええな」
「あ、もうここ足つかない!」
ぷかぷか浮き輪で浮いているから分からなかったけど、すでに足のつかない所まで来ていた
その瞬間、大きな波が起こり浮き輪ごとひっくり返りそうになる
「きゃあ!!」
「A!!」
咄嗟に目をつむると誰かに腕を引かれ腰をグッと抱かれる
目を開けたときには浮き輪は少し遠くに流されていて、私は壱馬の胸に収まっていた
「大丈夫か!?」
「壱馬、、うん、びっくりした、、」
「びしょびしょなってもうたな笑 1回上がるか」
まだ足がつかない私をしっかり抱き抱えながら砂浜まで泳ぐ壱馬に抱きつく
「壱馬から離れなくて良かった、助けてくれてありがとう」
「っ、ほんまやで」
あれはそういう意味ちゃうねんて、、そう呟く声も波の音に消され、壱馬の嫉妬に気づくこともなく久しぶりのオフを満喫した
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作者名:ysakamosan | 作成日時:2022年6月24日 23時