熱 [彼氏] ページ18
こんなにしんどいのは何年振りだろう
昨日、仕事からの帰り、駅を出ると突然の豪雨。
天気予報では雨とは言ってなかったから傘もなく、コンビニに寄って傘を買うのも中途半端な距離で、まあ走ればなんとか大丈夫だろうと20分程の距離を雨に打たれながら走った
家に着くと壱馬くんはすでに帰っていて、ずぶ濡れになった私に驚きタオルで頭から体まで拭いてくれた
にも関わらず朝起きてあまりのだるさに体温計をはさむと38度越えの熱、、
「Aー、大丈夫か?」
「、、うんー、、大丈夫、、じゃないかも、、」
「しんどいなぁ、、」
寝室に入ってきた壱馬くんは私の隣に腰掛け頭を撫でる
「おかゆ作ってみたんやけど食べれそう?薬も飲まなあかんし」
「えっ、、作ってくれたの、、?」
「うん、あんまり自信ないんやけど、、笑」
きっと色々調べて作ってくれたんだろうなと思うと、大事にされている感じがして嬉しくなる
「ありがとう、、食べる、、」
スプーンを持とうとするとパッと避けられ
「俺が食べさせてあげるから」
「いいよ、、恥ずかしい、、」
「ふふ、こんなこと滅多にないし甘えとき」
恥ずかしいと断ろうとするもふわりと微笑む壱馬くんにこれ以上抵抗出来ず、結局ゆっくりゆっくり時間をかけて食べさせてもらった
そのあと薬を飲んで眠りについたは良いものの、夜中の変な時間に目が覚めてしまった
「あれ、、壱馬くん、、?」
隣でいつも寝ているはずの壱馬くんが見当たらず、熱のせいで少し涙腺が緩くなっていたのかポロポロと涙が溢れた
フラフラした足取りでリビングへ向かうとまだ明かりがついていた
「あれA、起きてもうたん?」
「か、ずまくん、、どこいってたの、、?」
ソファに座る壱馬くんに抱きつき、胸に顔を埋める
「ごめんごめん、仕事がまだ残ってて、、って何で泣いてんのー笑」
「わかんないけど、、涙止まらないの」
「泣いたら余計しんどなるよ?俺はどこにも行かんから大丈夫」
背中をさすったりトントンしたり、それが心地よくていつのまにか壱馬くんの腕の中で眠りについていた
翌日、熱はすっかり下がっていて
「おはよ、体どう?」
「もう大丈夫!壱馬くん、ありがとう」
「よかったー、、」
壱馬くんは私を抱きしめ
「A、ちゅーしていい?」
その言葉に答えるよりも早く壱馬くんの唇が触れた
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作者名:ysakamosan | 作成日時:2022年6月24日 23時